白浜小体育館新築で備品購入費4倍に 姫路市教委、松岡市議の要望反映

2021/08/05 05:30

姫路市役所=姫路市安田4

 兵庫県姫路市教育委員会が2018年度、市立白浜小学校(同市白浜町甲)の体育館新築に伴い、白浜地域を地盤とする松岡広幸市議(54)の要望を基に、当初予算では想定していなかったパイプ椅子や体育用具など約400万円分の備品を購入していたことが分かった。備品購入費の総額は想定の約4倍に膨れ、市教委は緊急時に備えて確保していた予算を充てて対応した。 関連ニュース 「クチュクチュに言うてもたる」遊具契約額拡大、市議から「過度な要求」 市議の不当要求問題 百条委で音声公開 威圧に加え机たたく音も 姫路 なぜ白浜の事業ばかり拡大 市議が関与か、姫路市会特別委が経緯調査

 市教委が4日の市議会特別委員会で明かした。体育館の新築で「過去にこれほど備品を入れ替えた事例はなかった」と説明し、西田耕太郎教育長は「公平性確保の観点からまずい対応だった。反省している」と述べた。
 市教委によると、体育館は18年10月に完成。当初予算では式典などで使うフロアシートやひな壇の購入費として約120万円を計上していた。これらとは別に、同年10月に松岡市議からパイプ椅子300脚や跳び箱、ドッジボール用のボールといった備品調達の要望があったという。
 市教委は校長への聞き取りも踏まえ、「学校側も整備を望んでいる」と判断。同年11月から順次、物品を購入した。最終的な費用はひな壇なども含め約500万円に上った。
 特別委では、議員から「購入する品目を市議に言われて決めた点を反省すべきだ」などの指摘が相次いだ。西田教育長は「今回の事案を肝に銘じ、今後は予算枠を超える事業はその都度、しっかり点検すべきだと思っている」とした。(田中宏樹)

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