地元伝統の「七夕さんの着物」 改築進む駅彩る 山電大塩駅
2021/08/07 05:30
山陽大塩駅に飾られた大塩地区の「七夕さんの着物」=姫路市大塩町宮前
明治初期以前に始まり、現在は兵庫県姫路市大塩地区や高砂市曽根地区にわずかに残る七夕を再現し、改築される山陽電鉄大塩駅に感謝を伝える催しが開かれている。昔は「子どもたちが将来衣服に困りませんように」との願いを込めたという「七夕さんの着物」が、風に揺られている。7日まで。
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大塩の魅力を発信する「大きな縁(塩)のまちづくり実行委員会」の企画。失われつつある地域の伝統を絶やすまいと実施した。
同会によると、かつて塩田で栄えた播磨灘沿岸地域では、中暦の8月6日晩に紙で作った着物(紙衣(かみごろも))を飾りつける七夕があったという。
大塩地区では紙衣を「七夕さんの着物」と呼ぶ。販売する店舗も複数あったが、現在は柴田ちょうちん店(姫路市大塩町東之丁)のみとなった。
同駅には竹にくくりつけられた約50センチの紙衣やちょうちんが並び、改良工事が進む大塩駅を彩っている。同駅は来年3月ごろに橋上駅舎化される。
同委員会の浜田修央会長(48)は「大塩の大人たちが盛大に飾りつけ、子どもたちを思ってきた風習を守りたい」と話した。(安藤真子)