姫路市長が市長公舎を解約 兵庫の中核市で唯一設置 市民の批判受け転居

2021/08/18 05:30

姫路市役所=姫路市安田4

 兵庫県姫路市が市長公舎として契約していた同市平野町の賃貸物件を6月末で解約し、清元秀泰市長が市役所(同市安田4)から徒歩圏内の別の物件に転居したことが分かった。公舎の賃料は市が約7割を支払い、1年間で計約140万円を負担していたが、転居後は清元市長が全額支払っている。県内の中核市で市長公舎があるのは姫路だけだった。 関連ニュース 「寝耳に水」副市長2人、任期途中に異例の同時退任 斎藤新知事の住まいはどこに 兵庫県に公舎なく 危機管理面からは「県庁近くに」 「機嫌を損なうと事業に影響が…」姫路市副市長、市議の要望に不透明な対応

 市管財課によると、清元市長は2019年4月の就任後、市役所から約2・6キロ離れたマンションに入居。家賃は共益費を含めて月額17万円で、市が11万7千円、残る5万3千円を清元市長が負担していた。
 公舎を巡っては今年3月、市監査委員が市民からの住民監査請求を受理。「市に財政的損失を与えている」などとして清元市長に賃料の返還を求める内容で、請求は4月に棄却された。ただ、全国でほとんどの中核市が市長公舎を設置していない現状などを踏まえ「公舎の在り方には検討の余地がある」としていた。
 姫路を除く県内の中核市では、尼崎、西宮、明石とも市長公舎を置いていないという。
 清元市長は神戸新聞の取材に「新型コロナウイルス禍の影響による市の厳しい財政状況を踏まえ、少しでも経費の削減を図った」とした。(田中宏樹)

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