西アフリカ出身の音楽家と和楽器演奏家の姉妹が異色コラボ 9月、姫路でコンサート

2021/08/27 05:30

自宅でブルキナファソの伝統楽器を演奏するミロゴ・ベノワさん=姫路市香寺町

 西アフリカ・ブルキナファソ出身の音楽家ミロゴ・ベノワさん(35)=兵庫県姫路市=が、和楽器演奏家の「井上姉妹」と協演するコンサートが9月5日、姫路市総社本町の市民会館で開かれる。和太鼓や津軽三味線のリズムに合わせ、木琴にヒョウタンをぶら下げた「バラフォン」など個性豊かな民俗楽器を演奏する。ミロゴさんは「音楽は薬。コロナ禍で沈んだ気持ちの人たちが一緒に元気になれたら」とほほ笑む。(地道優樹) 関連ニュース 戦後の姫路城で1日だけのプロ野球 阪急エースが完投、南海の盗塁王は記録達成 熱戦まさに「国宝級」 宍粟市の8000軒で一時停電 <生老病支>「息切れ外来」4診療科が連携 はりま姫路総合医療センターに開設1年 原因特定、治療やリハビリまで

 ブルキナファソはサハラ砂漠の南に位置し、綿やトウモロコシの産地として知られる。ミロゴさんは音楽で歴史や教訓を語り継ぐ世襲の音楽家「グリオ」の家系に生まれ、18歳でプロの奏者になった。
 日本に移住したのは6年ほど前。青年海外協力隊員として滞在していた幼稚園教諭の勝間美由紀さん(40)=たつの市出身=と結婚し、姫路へ。3児も授かり、音楽イベントや学校公演に精力的に出演してきた。
 今回協演するのは、西宮市を拠点に活動する和楽器のマルチプレーヤー、井上朋美さん(30)と真澄さん(27)の姉妹。コロナ禍で演奏の場が激減する中、ミロゴさんは今年2月のライブで初めて姉妹と協演した。音で気持ちを表現する演奏スタイルの波長が合い、今回は姫路労音の誘いで2度目のコラボが実現する。
 コンサートでミロゴさんは故郷の伝統衣装に身を包んで登場。くりぬいた木にヤギの皮を張った太鼓「トーキングドラムタマ」や、ヒョウタンに12本の弦を張った「ンゴニ」の音色を響かせる。井上姉妹も日本舞踊を取り入れたリズミカルな演奏を披露。姫路の小学生や社会人らでつくる和太鼓チーム「レッド」の約20人も特別出演し、力強いリズムを刻む。
 「音楽は演奏する人と聴く人が一緒につくるもの。即興から生まれるリズムを楽しんでほしい」とミロゴさん。井上真澄さんは「和楽器の静と動がはっきりしたモノトーンの世界に、ミロゴさんの色鮮やかな音色が加わることで、心を打つ瞬間を届けたい」と意気込む。
 午後2時開演。定員400人。一般4千円、高校生以下2千円(全席指定)。姫路労音TEL079・290・5522

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