小中学生のいとこ6人、山中でへたり込んでいた不明男性を救助 大規模捜索が解決

2021/10/04 05:30

「のじぎく賞」などを受けた山下幸信さんと6人の孫たち=2日、飾磨署

 9月下旬、前夜から行方不明になっていた兵庫県姫路市の男性(84)の命を救ったのは、小中学生計6人の“山下ファミリー”だった。2組のいとこ同士で近所の里山に目星を付けて捜し始めた途端に、山中でへたり込んでいた男性を発見。ヘリコプターも投入された大掛かりな捜索を早期解決する大手柄を立てた。 関連ニュース 「心肺蘇生法、分かるのでやります」 中3男子が意識不明男性の命救う 路上に座り込む高齢女性に違和感「大丈夫ですか」 女子高校生が救護 高校球児がファインプレー 水路で溺れた男性を釣りざおで救う

 6人は、姫路市井ノ口の山下祥平さん(14)、航汰君(12)、遥生君(10)の3兄弟と、3連休を利用して富山県砺波市から泊まりに来ていた山下瑞葵(みずき)さん(11)、潔武(きよたけ)君(9)、献将(けんしょう)君(6)の3きょうだい。飾磨署に通報した6人の祖父・山下幸信さん(80)とともに県の「のじぎく賞」、市の「しらさぎ賞」が贈られた。
 同署によると、男性は9月19日夜から行方不明になった。20日午後、近所総がかりの捜索を知った最年長の祥平さんが「僕たちも捜そう」とリーダーシップを発揮し、山陽新幹線西庄トンネルが貫く山の麓へ向かった。はぐれないよう6人全員で行動し、10分ほどで男性を見つけ出し、家に飛んで帰って祖父に知らせた。
 男性の捜索には19、20両日で警察や消防など延べ135人が参加。警察犬やヘリコプターも投入されたが発見できていなかった。救助された男性にけがはなかった。
 賞を受けた祥平さんは「身近な山なので道も分かっていた。すぐに見つかって良かった」と笑顔だった。(山本 晃)

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