「市場移転へやむなく」 白浜の事業不当要求受け入れ、歴代副市長が証言 姫路
2021/10/21 05:30
百条調査権に基づく証人尋問に応じるため、特別委に出席した姫路市の歴代副市長ら=姫路市安田4
兵庫県姫路市・白浜地域の公共事業について検証している市議会特別委員会は20日、地方自治法に基づく調査権(百条調査権)を行使し、現職を含む歴代副市長4人に対する証人尋問を実施した。白浜小学校の相撲場整備や浜手緑地への複合遊具設置など、同地域を地盤とする松岡広幸議員の言動が不当要求行為と認定された事業について、要望を受け入れた経緯などを問いただした。
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出席したのは元副市長の内海将博氏、黒川優氏、高馬豊勝氏と、現職の佐野直人氏。要望時に事業を担当するなどした職員4人も証言した。
白浜小の相撲場は2020年度、松岡議員や自治会の要望を受け、事業費が膨らむ特殊な造りで整備。高馬氏は「意匠は地元の要望に応じ、経費は抑えるように指示した」と述べた。
白浜地域は市中央卸売市場の移転が予定されており「事業を円滑に推進するには地元の協力が欠かせず、やむを得ず判断した」と発言。「結果的に他の事業にしわ寄せがいった。その責任を重くみて、3月に副市長を辞職した」と話した。
一方、浜手緑地の複合遊具を巡っては松岡議員が19年11月、黒川氏らへ遊具の仕様に要望を反映させるよう要求。「ちゃんとしてくれへんかったら、わし自信持って市場止めるで」などと発言していた。
黒川氏は一連の言動を「本当に事業が止まるかどうかは分からないが、市にとって良い形にはならないのではないかと感じた」と振り返った。(田中宏樹)