城陽小の暴言体罰問題【保護者の声(下)】専門家や支援要員配置を

2021/12/05 05:30

特別支援学級で暴言・体罰問題が起きた城陽小。障害がある子を育てる親からは「どこの学校でも起こりうる問題」との声もあった=姫路市北条

 兵庫県姫路市立城陽小学校の特別支援学級で起きた担任による暴言・体罰問題について、神戸新聞社に寄せられた意見や感想のうち、保護者の方々の声の後編です。わが子が支援学級に通う人らからは、校内に専門家を置いたり、担任をサポートする人材を配置したりするよう求める声が上がりました。 関連ニュース 城陽小の暴言体罰問題【保護者の声(上)】学校全体で見守る態勢を 特別支援学級の暴言・体罰問題 「教諭一人で生徒8人は不可能」現場から人員不足改善望む声 負い目感じる母親「手が掛かる子を預けている」学校に声上げられず 姫路・特別支援学級の暴言・体罰

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 発達障害がある児童も地域の学校で教育を-とうたうのであれば、専門家なくしてはできないはずです。支援学級の担任にばかり負担がかかる仕組みは問題ではないでしょうか。
 安心して子どもを学校に通わせるには、特別支援学校のように各校に専門家が常駐し、何か問題が起きたら早期の対応を学校全体で支援する態勢が不可欠だと思います。そのために子どもの特性に寄り添える教員を配置し、専門職であるスクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーの雇用・労働条件を改善するべきです。付け焼き刃ではなく、地域に根差した活動ができる環境整備が必要です。
 被害児童の心の傷は、軽くはなっても残ります。今は目に見えていなくても、心のケアを学校などが責任を持って続けていくべきだと強く感じます。
 今回の問題は氷山の一角にすぎないと思います。これを機に、事件の背景にあるものが深掘りされ、学びの環境が改善されていくことを願っています。(県内)

 小学5年の自閉症の息子が特別支援学級に通っています。程度は違っても、どの学校でもあり得ることで、親としてはとても怖いです。コロナ対策もあって先生はとても大変だと思いますが、子どもたちもそれは同じ。支援学級は癒やされる場所でなければなりません。先生にばかり負担がかからないように、学校側はサポートする人を投入するべきだと思います。(県内、40代女性)

 報告を受けていたのに数年間対応しなかった管理職も悪いです。学校組織の問題だと思います。支援学級を担当するまで障害についての知識がない先生も珍しくないこと、(担任になってから)障害の勉強をしながら数人の児童に1人で対応していかなければならないことも問題につながっていると感じます。この教師がやったことは絶対に許せませんが、追い詰められストレスを抱えていたことは想像できます。管理職を中心に、一緒に考え助ける態勢があれば防げたことだと思います。(県内、40代女性)

 一生懸命やってくれている先生もたくさんいます。その人たちの話も聞いてみたいです。この問題をきっかけに、社会全体のシステムが良い方向に変わっていくことを望みます。(県内、40代女性)
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