「ここは楽しいことがいっぱい」フランス人男性、姫路の集落に移住10年 田舎暮らしを漫画に
2021/12/30 13:30
「ワカメタマゴ」のペンネームで漫画を出版したペルー・フレデリックさん=姫路市安富町
兵庫県姫路市安富町の山あいの集落に10年近く暮らすフランス人のペルー・フレデリックさん(50)が、日々の出来事を1冊の漫画にまとめ、自費出版した。これまで田舎暮らしの魅力をブログで伝えてきたが、さらに幅広く発信したいと5年がかりで完成させた。ペルーさんは「ここは楽しいことがいっぱい。都会の人たちが知らない田舎の良さを広めたい」と笑顔を見せる。(森下陽介)
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ペルーさんは米国の大手IT企業に勤め、約20年前に東京で働き始めた。2012年、大自然の中での生活に憧れ、妻と息子を連れて安富町に転居した。
築100年以上の古民家で暮らし、仕事はリモートでこなす。時差がある米国の勤務時間に合わせ午前5時ごろから働き始め、業務の合間に漫画をこつこつと描きためた。
タイトルは「失われた田舎暮らしを求めて」。物語は安富町への引っ越しを決めるシーンから始まり、自身の体験に空想を交えて展開する。集落で出会った個性的な人々や行事に参加したときの驚きなどを、素直な言葉で表現している。
ヤマ場は転居後に意気投合した大工の「咲ちゃん」こと新免咲雄さん(68)が病に倒れるシーンだ。安富の森で暮らす動物たちが恩返しの意味を込め、自然を大切にしてきた新免さんを協力し合いながら助ける場面を描き、野生動物との共生も訴えた。
ペルーさんは「欲を言えば、あと10年早く安富に来たかった」と悔やみつつ、「都会にはない田舎ならではの面白さが漫画で伝わればうれしい」と話した。
A4判68ページ。1500円(送料込み)。購入はホームページ(https://wakametamago.jp)の申し込みフォームから。