仏人画家・マチスの作品、東京で展示へ 姫路市立美術館が収蔵 松方幸次郎収集品の一つ
2022/01/11 05:30
アンリ・マチスの作品について解説する京都橘大学の大久保恭子教授=姫路市立美術館
姫路市立美術館(兵庫県姫路市本町)が収蔵するフランス人画家、アンリ・マチス(1869~1954年)の風景画が、6月から東京の国立西洋美術館で開かれる記念展「自然と人のダイアローグ」に特別出品される。直近の研究で、神戸ゆかりの実業家・松方幸次郎が収集した「松方コレクション」の一つとみられることが分かった絵で、同館での公開は初めてとなる。(山本 晃)
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姫路市立美術館では「ニース郊外の風景」として紹介されている。1920年前後の油彩画で、縦37センチ、横45センチ。芝生に女性2人が寝転がる姿が描かれ、樹木の濃淡や小道で奥行きも表現されている。松方はパリで購入したとされるが、第2次世界大戦の影響もあり、売却後は行方が分からなくなっていた。
姫路市の医師國富奎三(くにとみけいぞう)さん(83)は、70年代に海外のオークションでこの絵を落札。他の洋画と共に94年に市立美術館へ寄贈した。國富さんは2020年、松方コレクションの所在不明作品「森の中に横たわる二人の女」と絵柄が一致していることに気付き、同館と国立西洋美術館が調査を続けている。
東京での展示は、各地に散逸したとされる松方コレクションの作品を広く知ってもらい、新たな作品発見につなげる狙い。10日にあった記者発表会で、調査に携わる国立西洋美術館の陣岡(じんがおか)めぐみ主任研究員が「松方旧蔵作品として調査の途上にある、重要な作品。本展のテーマを深めてくれるもので、展覧会を通じて研究を進展させたい」と書面でコメントした。