「文化資源を後世に」 香寺民俗資料館「雑草庵」、かやぶき屋根の改修資金募る

2022/01/28 05:30

かやぶき屋根の改修に備え、カヤの束を準備する山本秀樹館長=香寺民俗資料館

 民具や農具など数万点を所蔵する香寺民俗資料館(兵庫県姫路市香寺町中仁野)が、敷地内の古民家「雑草庵(あん)」の傷んだかやぶき屋根を改修するプロジェクトを始め、費用をクラウドファンディング(CF)で募っている。「歴史が息づく地域の文化資源を後世に受け継ぎたい」。同館を維持運営するボランティア12人が、資金や材料集めに奔走している。(森下陽介) 関連ニュース 在日コリアンの歩み伝える「ナドゥリミュージアム」 開館1年の活動、図録などに記録へ製作費募る 【障害者スポーツ】イベント開催、CFで調達 助成金頼み脱却へ模索続く 耕作放棄地1ヘクタールを花畑に 養蜂家の田中さんがCF「ミツバチが飛び交う場所に」 返礼は蜂蜜やコメなど


 同館は1971年、民具収集家の故島津弥太郎さんが創設。島津さんが全国を歩いて集めた江戸期から昭和初期にかけての民具や農具、古文書などを展示している。
 雑草庵は75年、同県市川町の山あいの集落で昭和初期まで現役だった民家を移築したもので、長らく資料館の離れとして使われていた。約50平方メートルの建物は、石臼が備えられた土間など昔ながらの趣を残す。
 約25年前に同館であった火災で屋根が焼けたため、カヤは全面的にふき替えられたが、今では所々で腐り、雨漏り寸前の状態だ。「このままでは建物が持たない」と山本秀樹館長(68)ら有志が昨秋から、ふき替えに向け動き出した。
 カヤは同県養父市の杉ケ沢高原で、骨組みとなる竹は姫路市船津町で調達。メンバーが現地に足を運んで関係者らと交渉し、丹念に刈り取っては同館に持ち帰っている。完成には高さ2メートルを超すカヤの束が、2千束ほど必要と見込まれる。
 改修は2月にも始める予定で、同県丹波篠山市の職人に依頼している。山本館長は「改修後は雑草庵で、かつての暮らしぶりを体験するイベントを開くなど、貴重な文化財を堪能できる機会をつくりたい」と話す。
 目標金額は500万円で、3月末まで募集する。寄付は神戸新聞グループのCFサイト「エールファンド」から申し込めるほか、同館でも受け付けている。支援額に応じて、島津さんの詩集や詩の朗読を収めたCDなどが贈られる。カヤの伐採などを手伝うボランティアも募集している。

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