「戦争はいつも日常を奪う」 ウクライナ侵攻に姫路空襲体験者「胸が締め付けられる」

2022/03/13 19:30

竹居洋子さんの戦争体験を聞く生徒=飾磨西中学校

 太平洋戦争末期に兵庫県姫路市街地を焼き尽くした空襲について学ぶ授業が、飾磨西中学校(同市飾磨区構2)であった。4月に長崎への修学旅行を予定する2年生約240人が参加。当時7歳だった竹居洋子さん(83)=同市=が、どんな時代でも戦争は日常を奪うと訴えた。 関連ニュース 「神戸空襲を記録する会」後世への接点模索 犠牲者刻銘、まだ3割 書籍出版や集会開催 <あの頃を生きて 第2部>堀田絹子さん(93) (上)かすめた焼夷弾 女学生、夢なんか考える暇もない 不戦と平和の誓い新たに 姫路市戦没者追悼式、遺族ら300人参列 市長「平和の尊さ、次世代に引き継ぐ」

 同校では、修学旅行のテーマの一つに平和学習を据える。長崎の被爆だけでなく、地元の戦争も知ってほしいと教員が企画した。
 竹居さんは、1945年7月3日深夜に起き、173人の命が奪われた空襲について講話。国民学校の1年生だった竹居さんは、母親と3歳だった妹と逃げ回った。防空壕(ぼうくうごう)はどこもいっぱいだったことや、「おうちに帰りたい」とぐずる妹に母親は焼け野原を見せて「おうちないやろ? 焼けて帰るとこないんやで」と諭したことなどを語った。
 ロシアのウクライナへの軍事侵攻にも触れ、「寒い中、子どもを連れて逃げる母親のことを思うと胸が締め付けられる」と声を震わせた。最後に「情報を正しく判断し、相手のことを想像できる力を育んでほしい」とメッセージを送った。
 男子生徒(14)は「戦争を実際に体験した竹居さんの話を聞くことで、戦争は二度と起きてほしくないし、起こしてはいけないと感じた」と話した。(安藤真子)

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