がんばれ東洋大姫路 練習密着(上)朝日とともに55人が動きだす
2022/03/19 05:30
練習試合で送りバントを決めた選手。伝統の堅守と「つなぐ野球」で勝利を目指す=姫路市打越(撮影・大山伸一郎)
東洋大付属姫路高校(兵庫県姫路市書写)野球部が、春夏合わせ11年ぶりに甲子園に帰って来る。今春での退任が決まっている監督と部長にとっては最後の晴れ舞台だ。2人の花道を飾ろうと、練習にもいっそう熱がこもる。開幕直前、グラウンドで最後の調整を続ける野球部の一日に密着した。(山本 晃)
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6・35 大きいエナメルバッグを抱えた選手が、薄暗い時間から次々にやって来る。部員は総勢55人。着替えを済ませると、コンディション管理のため体重を測定してグラウンドへ。書写山から昇る朝日が差し込む。長い一日が始まった。
7・13 この日は午前、午後とも青藍泰斗(せいらんたいと)高校(栃木県)を招いての練習試合。選手全員が集まり、打撃練習が始まる。「もっと下から」。藤田明彦監督(65)がレギュラーの千代凱登(せんだいかいと)選手(17)に声を掛けた。
8・27 書写を仰げば、燃え立つみどり-。選手全員が並んで校歌を歌い始める。グラウンド全体に響き渡る大きな声だ。練習試合では毎回、歌うという。
ファンや保護者らが姿を見せ始めた。グラウンド脇のベンチから野球部初代部長を務めた大久保強さん(84)=同市=が選手を見詰める。「今も東洋への愛着は変わらない。(甲子園出場は)本当に良かったよ」
9・55 練習試合が始まった。一回表に失策から1点を失ったナイン。「エラーは出る。出た後にどうするかですよ」。攻守交代でベンチに集まった選手を、藤田監督が鼓舞する。
11・20 一時追いついたものの2-1で惜敗。先発した松本優斗(まさと)投手(17)は「直球がなかなか入らなかった」。2番手の内海誠揮(のりき)投手(16)も「コントロールを意識しすぎて力んでしまった」と悔しがった。
11・49 グラウンドの隅で昼食を食べ始める選手たち。試合に負けたこともあって黙々と口を動かすだけだ。寮生活を送る橋本遥希選手(17)は、家族から届いたオムライスを頬張っている。「試合の時とかは、家で作ってもらったお弁当が食べられるので楽しみです」と小さく笑った。
午後からも練習試合が続く。日差しが強さを増し、グラウンドに土ぼこりが舞う。55人の一日はまだ折り返し地点だ。
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