がんばれ東洋大姫路 練習密着(下)まず一勝へ、ひたすら白球追い

2022/03/20 05:30

練習を終えた選手。甲子園での決戦が間近に迫る=姫路市打越(撮影・大山伸一郎)

 甲子園での初戦を目前に、最終調整を続ける東洋大付属姫路高校(兵庫県姫路市書写)野球部。そのハードな一日は、午後も日が暮れるまで続いた。 関連ニュース 明治神宮野球大会 東洋大姫路、初戦で聖光学院にコールド勝ち 東洋大姫路「初勝利を」 甲子園通算33勝の名門も神宮で未勝利 明治神宮野球大会高校の部20日開幕 春のセンバツ21世紀枠候補に西宮東 43年ぶり秋季県大会8強 県高野連発表


 12・10 練習試合2試合目の直前、藤田明彦監督(65)が野球部OBの森健文さん(30)=神戸市西区=ら5人と談笑する。森さんは東洋大学時代、当時職員だった藤田監督と親交があった。今回の甲子園を最後に退く監督を思い、「今回は本当に頑張ってほしい」。
 12・35 グラウンドから少し離れた場所に、寮生の阿部海一(かいち)選手(16)の父一晴さん(47)と母舞さん(41)=鳥取市=がいた。本人には内緒だが、「やっぱり息子たちが気になって」。直後に始まった練習試合をそっと見守った。
 13・30 試合中、阿部選手の姿は、稲垣敦選手(16)とスコアボードの裏にあった。得点板の交換も選手の大事な仕事だ。「ここからだと、試合の流れがつかみやすく勉強になる」と口をそろえた。
 14・43 2試合目も守備にほころびが目立ち、敗戦。試合後、岡部虎尉(とらい)主将(17)ら選手たちが輪になり、反省点を話し合う。「変化球にタイミングを合わせすぎた」「勢いが足りない」。厳しい意見も遠慮せず話す。全ては甲子園での勝利のためだ。
 15・00 試合の反省を生かして練習再開。藤田監督も自らノックバットを振る。「しんどいけど、うまくなって、監督さんたちに勝利をプレゼントしたい」と奥村颯太選手(17)。白球を追う選手の練習着は泥だらけになっていった。
 17・45 日が傾きはじめた。グラウンドで11時間を過ごした選手が家路に就く。寮生は食事のため学校近くの「杵屋(きねや)書写お菓子の里」へ。「練習でくたくたになっても、ご飯で力がみなぎる」と大開叶翔(おおひらき・かなと)選手(15)。大盛りのご飯を平らげると、寮へと再び自転車を走らせた。
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 甲子園初戦が近づく。厳しい練習に弱音を吐いた日もある。打てない、守れない悔しさにうつむいた日もあった。甲子園出場が決まり、歓喜の声を上げたのもここだった。さまざまな感情が染みこんだグラウンドでの経験は、必ず「聖地」で生かされる。(山本 晃、森下陽介)
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