「皿屋敷」悲話を手作り人形劇で 姫路・十二所神社、3年ぶりお菊まつり
2022/05/10 05:30
お菊が井戸から現れる場面を披露する人形劇=十二所神社
全国各地に伝わる皿屋敷伝説のルーツともいわれる怪談話「播州皿屋敷」のヒロイン・お菊さんにちなんだ「お菊まつり」が8日、兵庫県姫路市十二所前町の十二所神社で3年ぶりに開催された。
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皿屋敷は、無実の罪で責め殺されたお菊の幽霊が井戸から現れ、うらめしげに皿を数える怪異伝説。同神社によると、お菊は姫路城主の小寺家に仕え、主君の病気平癒を願って同神社に日参したほか、お家乗っ取りを命がけで防ごうとした「烈女」という。神社内にはお菊の霊をまつる「お菊神社」があり、命日とされる5月8日前後に例祭を行うが、直近2年間は新型コロナウイルス禍の影響で中止が続いた。
今年は神事に続き、義太夫三味線の鶴沢友保さんによる人形浄瑠璃「播州皿屋敷」に合わせ、地元の人形劇グループ「はっぴぃ」が劇を奉納した。手作りの人形による悲話に、観覧した約70人が見入っていた。
同グループ代表の神田邦代さんは「コロナ禍のため、個別の自主練習が中心だったが、三味線の音に導かれてしっかり披露できた」と話した。(段 貴則)