沖縄の魅力独自視点で 琴丘高生が修学旅行で市民に取材 記録出版へ、クラファンで資金募る

2022/05/20 05:30

修学旅行の記録をルポにまとめ沖縄の魅力を発信する本の出版を目指している高校生=琴丘高

 兵庫県姫路市立琴丘高校(同市今宿)の3年生が、沖縄県での修学旅行の記録を一冊の本にまとめて出版する企画を進めている。昨年10月に学習の一環として、現地の約130カ所で市民に取材した生徒らはルポ風にまとめて、高校生ならではの視点で沖縄の魅力を発信する。出版費用を6月23日までクラウドファンディング(CF)で募っている。(森下陽介) 関連ニュース 姓を変えた少年「明日から名前が富樫になる」 沖縄と本土、はざまを生きる 差別、凍る心、沖縄ブーム 思い出は左官の職人体験 東京から修学旅行の高校生 淡路で小屋の土壁に挑戦 父親の死で修学旅行不参加の中3男子生徒、担任の暴言で不登校に


 同校は毎年、沖縄を修学旅行先にしているが、取材は初めての試み。新型コロナウイルス禍で主力産業の観光業が打撃を受けた同県を盛り上げようと計画した。
 3~4人のグループに分かれた生徒は、取材先の決定から電話やメールでの取材依頼まで自分たちで準備した。取材先は泡盛の製造会社や観光大使の「ミス沖縄」、地元のハブ取り名人などさまざま。観光ガイドブックに載らない一風変わった魅力を紹介する。
 当日は方言が理解できなかったり、担当者が不在だったりと想定外のトラブルに見舞われながらも、各グループ2カ所ずつ、1日かけて取材や写真撮影に挑戦した。仕事へのこだわりや創業のエピソードなど、気になる点を丁寧に聞き取っていった。
 本は姫路の出版社「金木犀(きんもくせい)舎」から今年9月に、オールカラーB5判で出版予定。タイトルは「うちなんちゅ(沖縄人)の魂に触れる旅」で、3千部の発行を目指している。
 「人が温かい沖縄に、姫路から元気を届けたい」と、同企画の代表生徒の一人、3年生の佐竹彩葉(さいは)さん(17)。市立高校3校の統合再編計画も踏まえながら「『琴丘』の名前がいつまでも残るように、最高の一冊にしたい」と期待を込めた。
 目標金額は120万円。CFサイト「レディーフォー」にアクセスし「琴丘高校」と検索する。

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