参院選「私の争点」 播磨の有権者に聞く【1】

2022/07/02 05:30

加納良男さん

 参院選の投開票が10日に迫る。家計を圧迫する物価高への対策を中心に、争点は安全保障、憲法改正と多岐にわたる。播磨の有権者は何を望み、1票を投じるのか。さまざまな立場の有権者に「私の争点」を聞いた。 関連ニュース 外国勢力の選挙介入対策に着手 真偽不明の情報、誹謗中傷が拡散 野党、関税交渉と消費減税で攻勢 両院で与党少数、初の論戦へ 戦中生まれの国会議員6人に減少 記憶継承が永田町でも課題に


■「人の移動促す政策期待」観光ボランティアガイド・加納良男さん(72)=姫路市
 姫路の名所や歴史を観光客に解説しています。やりがいは十分。あっという間に10年がたち、姫路検定1級も取りました。
 姫路城がある観光の街。これまでは大河ドラマや「平成の大修理」の影響でずっと忙しかった。それがコロナ禍で一気に活気を失いました。今年の大型連休に期待したけれど、完全復活とはいきませんでしたね。
 コロナも3年目で、みんな自粛慣れしている。だから、人の移動を促す大胆な政策を期待したい。後は経済回復。家計に余裕がないと旅行もできませんから。
 昨年、ガイドのユニホームを替えました。新しい制服で、マスクを外しておもてなし。そんな生活に戻してくれる人を見極めたい。(聞き手・森下陽介)

■「物価高に対する支援を」飲食店経営・山根誉彰さん(51)=姫路市
 姫路・魚町でレストランバーを経営しています。原材料価格が高騰していますが、値上げすればお客さんが他の店に流れてしまうかも。でも、経営努力だけでは、そろそろ限界です。
 ロシアによるウクライナ侵攻と円安の影響で、輸入酒の価格も上がり続けています。情勢が見通せず、仕入れも不安定なまま。コロナ禍のように、中長期的な支援制度を望みます。
 今の政治には「リアル感」がないと思います。選挙戦でも現場を見ず、現実味のない公約だけ並べられても意味がありません。選ぶなら実行力を重視したい。
 投票は行くつもりです。行かないという選択は、結果としてこの現状を受け入れることになりますから。(聞き手・山本 晃)

■「もっと教育への予算を」姫路東高3年・山口愛璃さん(18)=姫路市
 5月で18歳になり、初めての選挙です。大人の仲間入りを実感します。ウクライナ情勢への対応と、教育施策に注目しています。
 現代に戦争が起こるとは思わず、恐怖を感じています。唯一の被爆国として非戦の姿勢を明確にしてほしい。防衛力の強化では、ただ戦争に巻き込まれるだけのような気がします。
 若者や教育にも、もっと予算を使ってほしい。教育無償化は格差解消につながるはず。先生も大切にしてほしい。どんな先生と出会うかで、子どもの人生は変わるはず。教員志望者の減少は問題だと思います。
 交流サイト(SNS)で見る真偽不明な情報に流されないように気を付けて、投票先を選びたいです。(聞き手・井上 駿)

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