町の鉄工所、クールな「シェアオフィス」に 3Dプリンターやレーザーカッター…充実の設備貸し出し 姫路

2022/08/19 05:30

改装された広野鉄工所の工場。高い天井などはそのままに、フローリングの床にデジタル機器が並ぶ=姫路市西今宿1(同社提供)

 兵庫県姫路市西今宿1の広野鉄工所が、自社の工場を改装し、3Dプリンターやレーザーカッターなどのデジタル機器を設置した交流スペースを完成させた。フローリングの床やレンガの壁が目を引き、まるで街中のシェアオフィスのよう。今後、クリエーターやものづくりに関心のある市民に有料で貸し出す予定で、女性や若い世代など「町の鉄工所」になじみの薄い人たちの利用も見込む。(山本 晃) 関連ニュース 「軽くカラフル」変幻自在 長田生まれのゴム素材、海外ブランドも注目 東京・渋谷に展示場 「イチゴは年中おいしい」NTT西子会社が通年販売 栽培はビル空室、農家のノウハウデータ化、高価格の粒も 規格外野菜、盛り放題で300円! 人気企画を支えるのは、全員20代の農業法人


 1972年に創業した同社は当初、石材加工機の製造を主としていた。自前の技術を生かそうと、約25年前にデザイン性を意識した表札のオーダーメード販売を開始。今では全国各地から注文が寄せられ、主力事業になった。
 一方、業界全体では慢性的な人手不足や技術の継承に悩む企業が多い。デジタル機器を活用しながら、幅広い世代にものづくりの楽しさを感じてもらおうと、スペースの開設を決めた。
 改装には国の補助金なども活用。「工場につきまとう(危険、汚い、きついの)3Kのイメージを徹底的に省いた」と、美安良一代表(61)。既存の建物の構造を生かしつつ、内部は大幅に改装し、3Dプリンターやスキャナー、布などにもプリントできるUVプリンターなど計9台を設置した。プロジェクターもあり、会合の利用などにも対応する。
 スペースは7月に完成し、既に問い合わせがあるという。美安代表は「幅広い世代の人が集うことで、さまざまなアイデアが生まれる場にしたい」と意気込んでいる。ヒロノクラフトTEL079・297・8628

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