北播

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凍りこんにゃくを前に賞状を持つ藤原尚嗣さん=多可町加美区丹治
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凍りこんにゃくを前に賞状を持つ藤原尚嗣さん=多可町加美区丹治

 多可町特産の凍りこんにゃくを製造する畑中義和商店(同町加美区丹治)が販売する洗顔用の「つやの玉」が、全国の地域特産品を審査する「むらおこし特産品コンテスト」で最高賞の経済産業大臣賞を受けた。130年以上受け継がれる製法を貫く一方、パッケージを一新し、新しい販路を開拓するなど奮闘する5代目の藤原尚嗣さん(27)は「先人が大変な思いをして残してきた製法と、地元の皆さんの助言があってこそ」と感謝する。(長嶺麻子)

 1887(明治20)年創業の同社は凍りこんにゃくの製造一筋。かつては同町内などに多くの業者があったというが、今は唯一の存在となった。こんにゃくいもから1割しか取れない国産のこんにゃく粉を使用。11~3月の寒い時期、昼夜の寒暖差や良質な水を活用し、手作業で生産。無添加で安心とあって、赤ちゃんや敏感肌の人ら、全国に愛用者がいる。

 2017年、闘病の末に67歳で他界した先代の畑中博さんは、病気の発覚と後継者不在のため一時は会社をたたもうとしたという。しかし、化粧品メーカーに勤めていた親族の藤原さんが「こんな質の高い商品を途絶えさせたくない」と跡継ぎを申し出たことから、闘病中の畑中さんが製法を手ほどきした。

 コンテストは1988年から全国商工会連合会が開催し、市場性や将来性などの側面から専門家が審査。今年は全国から食品や工芸品など89品目が集まった。東京のNHKホールでこのほど開かれた表彰式に出席した藤原さんは「先代が命がけでつないでくれた商品と伝統に価値があったと証明された」との思いがこみ上げたという。

 受賞後、藤原さんは畑中さんの仏前に報告。「先代とは何度も衝突した。自分が跡を継がなければ、もっと長生きできたかもしれない」との思いもあったが、畑中さんの家族は「そんなことはない。事業をたたまずに済んで良かった」と受賞を喜んでくれたという。

 藤原さんは「もっと多くの人に知ってもらえるように力を尽くし、本当の意味で地域に必要とされる人になりたい」と決意を語った。

 同町内の道の駅や、東急ハンズ、ロフトなどで購入できる。

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