北播

  • 印刷
無数のプラモデルの箱に囲まれ、品定めをする男性=西脇市西脇、てんぷる
拡大
無数のプラモデルの箱に囲まれ、品定めをする男性=西脇市西脇、てんぷる
ショーケースに飾られたプラモデルの数々=西脇市西脇、てんぷる
拡大
ショーケースに飾られたプラモデルの数々=西脇市西脇、てんぷる
最後のお別れに駆け付けた男性=西脇市西脇、てんぷる
拡大
最後のお別れに駆け付けた男性=西脇市西脇、てんぷる
子ども時代のように笑い合う男性グループ=西脇市西脇、てんぷる
拡大
子ども時代のように笑い合う男性グループ=西脇市西脇、てんぷる

 ガンダムや戦闘機のプラモデル、有名キャラクターの縫いぐるみにミニ四駆、水風船、打ち上げ花火-。

 「オモチャのデパート」を掲げる兵庫県西脇市西脇、「てんぷる」の売り場は、あらゆる世代の子どもが夢中になる商品が所狭しと並ぶ。今月末に閉店を控えた今、夕方や週末には、かつて子どもだった大人が店内を歩く姿が目立つ。

 「あらタカセ君、久しぶり、来てくれたん」

 店員が一斉に声を掛けたのは、高校卒業後に西脇を離れた大阪市の会社員高瀬竣也さん(27)。子どもの頃から毎日のように遊びに来ていたてんぷるの閉店を知り、日曜に高速バスに乗って日帰りで訪ねてきた。服は老舗模型メーカーのTシャツ。まさに“正装”のいでたちで現れ、プラモデル2箱を購入した。

 「最初は父親に連れられて。ちょっと大きくなったら、毎日友だちと来てカードバトルとかしましたね」と目を細める。大人になっても帰郷の度に立ち寄り、ぼんやりと時間を過ごした。「店のおばちゃんも自分のことを覚えていてくれて。好きなものに囲まれて落ち着くし、安心できる場所。第2の実家でしょうか」

 3人の子の父親でもある加東市の会社経営の男性(40)は、仕事の合間を縫って通い続けた。幼少期は国鉄鍛冶屋線に乗って、今は車で。閉店にすごくショックを受けたわけではないが実感は湧かない。せめて、最後までいつも通りの時間を過ごしたいと願う。

 「ここは、プラモの箱の中身も見せてくれる。ネットとは全然違う世界。組み立てながら、みんなでああでもない、こうでもないって情報交換したなあ」と振り返り、「テレビゲームや男の子のたしなみは、全部ここで学んだ」と笑う。そして、20歳を過ぎて会社を経営するようになって、初めて分かったことがある。

 「(遠藤茂男)社長の大きさを改めて感じる。店を拡大して先駆的な取り組みを続けた。なかなか自分には難しい。すごいなあ」

 閉店が迫った「夢の城」では、さまざまな思いが交錯する。かつて親や祖父母と遊びに来た女性は、自身の子どもを連れて見納め。20代の常連男性6人組は、少年のように笑い合いながら、最後の品定めに余念がなかった。(長嶺麻子)

北播の最新
もっと見る

天気(10月14日)

  • 23℃
  • ---℃
  • 50%

  • 22℃
  • ---℃
  • 50%

  • 22℃
  • ---℃
  • 50%

  • 22℃
  • ---℃
  • 50%

お知らせ