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全国大会に向け、気力、体力共に充実させている小林英喜さん=多可町加美区寺内
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全国大会に向け、気力、体力共に充実させている小林英喜さん=多可町加美区寺内

 高校時代に骨肉腫で右脚を切断し、義足で暮らす兵庫県多可町加美区の小林英喜さん(59)が26、27日に同県加東市内で開かれる「全日本シニアアマチュアゴルファーズ選手権」に出場する。55歳以上の男性を対象とする一般の大会で約2100人中、予選を通過した約160人の中に残った。「障害者代表の気持ちで頑張りたい」と強い決意で臨む。

 182センチの長身。元々は野球少年で、高校は強豪校への進学を目指していたが、中学で膝の痛みが強くなって断念。多可高校で野球を続けたが、17歳の時、若年層に多いがん、骨肉腫が発覚した。太ももから下の切断を余儀なくされた。

 「楽しいことは何もない。このまま暮らすのか」。日常生活もままならず、野球を続ける未来は閉ざされた。当時は、障害者スポーツもあまり知られていなかった。青春真っただ中、スキーや海水浴を楽しむ友人を横目に無気力な日々を送った。

 転機は25歳。友人の誘いで行ったゴルフ練習場で、「俺には無理や」と言いつつクラブを振るとボールがきれいに飛んだ。くすんでいた未来が一気に明るくなった。「もう一度、やれることをやりきってみよう」。

 すぐに友人らとコースに出るようになった。間もなく、障害者向けゴルフ大会が始まり、全国障がい者ゴルフオープンなど全国大会の下肢の部で優勝を重ねた。3人の子どもが成人した60歳を前に、野球を途中で断念した悔しさが再燃。ゴルフを徹底的に極めたいと昨春、長年勤めた多可町役場を早期退職した。

 ベストスコアは68。義足での力の入れ方、体の動かし方は自分にしか分からないのでほぼ独学だ。一般の大会では、移動にカートの利用ができないケースも。「痛いし、義足の接触部分が汗ばむ」。人には見えない苦労を何とか克服して自分なりにプレーを磨く。

 現在は、ゴルフ場で働く傍ら、NPO法人日本障害者ゴルフ選手会や、西日本障害者ゴルフ協会の役員も務める。一般の全国大会出場は、他の障害者らの視線も意識する。「何かを失っても、自分に合ったものがあり、人生は楽しくなると伝えたい」と前を見据える。(長嶺麻子)

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