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自身が手掛けたブランド「PAGOT」の鞄を前に仕事について語る堀井悠次さん=堀井鞄製作所
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自身が手掛けたブランド「PAGOT」の鞄を前に仕事について語る堀井悠次さん=堀井鞄製作所

 大阪市から兵庫県西脇市へ移り住んだ鞄職人の堀井悠次さん(30)が、市内に工房を開いて1年余り。大手メーカーの下請けと、自身のブランド「PAGOT(パゴット)」の製作、販売の両輪で徐々に仕事が軌道に乗り始めている。パゴットでは播州織を取り入れた鞄も手掛け、同市のふるさと納税の返礼品としても反響を呼んでいる。

 返礼品への採用は2年目で「幅広い世代と地域に知ってもらえた」と手応えを語る。たっぷりと荷物が入るトート、財布や携帯電話が収まるポシェット、斜めがけして使うサコッシュなど発色の鮮やかなイタリアンレザーや帆布を用いる。「孫の代まで使ってもらいたい」と、天然素材を生かしたシンプルさと独自性のバランスを追求してきた。

 大阪市の繁華街近くで育った。関西大を卒業後、繊維商社に就職したが、ものづくりへの思いが募り鞄の製造現場に飛び込んだ。約3年の経験を経て同市内で2015年、堀井鞄製作所を開業。その後、広い作業スペースの確保や子育てのため、18年6月に妻の紗由里さん(30)の郷里、西脇市内へ移住した。

 工房は同市西脇の旧来住家住宅前から北へ徒歩約1分の場所。現在、同市比延町に播州織の店舗兼工房を構え、海外にも販売する玉木新雌さんが西脇で初出店したいわゆる「出世部屋」。大手の最先端技術やデザインが組み込まれた高度な下請けをこなす一方で、パゴットの開発、製造にも取り組む。

 西脇に移り住んで1年が過ぎ、播州織の奥深さも実感するようになった。知人の会社で1970年代のビンテージ生地を見つけたり、播州織産地博覧会で掘り出し物を探したり。鞄の素材として採用したが、「もっと勉強して良い使い方をしたい」と貪欲だ。

 視線はものづくりや、まちづくりの現場にも。職人修業中は低賃金で自身も生活に苦しみ、業界から離れる仲間もいた。技術継承が途切れていく様子を目の当たりにしてきた。「職人がしっかり仕事をすれば生活できるようにしないと。自分も若い人を雇えるようになって、みんなと町全体を盛り上げる役回りを果たしたい」と目標を見据えた。(長嶺麻子)

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