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JR福知山線脱線事故について語る浅野千通子さん=古民家空間「コトノハ」
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JR福知山線脱線事故について語る浅野千通子さん=古民家空間「コトノハ」

 2005年のJR福知山線脱線事故で、多くの犠牲者が出た2両目で大けがを負った浅野千通子さん(41)の講演会が24日、兵庫県多可町加美区三谷の古民家空間「コトノハ」であった。約60人を前に、事故発生時の状況から9度に及ぶ手術、精神の病に苦しみながらも、自分の人生を生きようとしてきた歩みを語った。

 講演会の冒頭、同じ2両目で負傷したコトノハを運営する小椋聡さん(50)が、事故の概要について解説。想像を絶する現場の状況に触れ、「亡くなった人それぞれに人生がある。七転八倒しながら死んでいく。到底、数では推し量れない」と話した。

 浅野さんは通勤途上で事故に遭った。「死にたくない、でも26年間、満足やったとしたい」と、さまざまな思いが巡った。ひしゃげた車体に挟まれて動けず、隣の男性が亡くなるのを感じた。ようやく救助され病院で家族と再会した時は「生きられたから何があっても絶対頑張る」と宣言した。

 リハビリに励み、3年後には一見、体は元通りのようになったが、傷ついた心はそのままで重度のうつ病の診断を受けた。「廃人のよう。消えてしまいたい」という日々が続いた。「あの頃、亡くなった人の分も生きるという思いと、現実とのギャップがあった」

 「人生どうでもいい」と捉えてから心の状態が上向き始めて結婚、38歳で長男を出産し、ピラティス講師などとして活躍する。「これからもいろいろある。弱かろうがださかろうが、自分を受け入れるしかない。生きていれば可能性にあふれている」と締めくくった。(長嶺麻子)

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