その名も「凄(すご)BUS4×4(バスフォーバイフォー)」。悪路を走行できて大勢の人を運び、避難所にもなる「フルタイム4WD(四輪駆動車)」に改造したマイクロバスが28日、兵庫県加東市内にお目見えした。静岡市で自動車修理工場を営む深澤昌弘さん(47)が開発。親交のある加東市の同業者を訪ね、「災害対策としてこんな乗り物があっていい」とアピールする。各地で豪雨被害が多発する中、全国から問い合わせが舞い込んでいるという。(中西大二)
深澤さんはこの日、同市鳥居、自動車整備販売会社「エムアンドワイオートジャパン」の桃井智子取締役らを訪問した。同社でも豪州の4WD専門業者の技術提供を受け、悪路でも走行できるように改造した大型の「トヨタハイエース」の輸出販売をする。桃井さんは「車業界に携わる者同士、安心安全を追究する車の開発を目指そうと情報共有を重ねている」と話す。
バスの開発にあたり、深澤さんは、同じ豪州の会社から技術提供を受けた。だが、日本の陸運局の安全基準は厳しく、国内仕様の部品に変更。さまざまな安全性能実験を繰り返すなどし完成までに3年かかった。
バスは全長6・2メートル、幅約2メートル。高さ約3メートル。最大24人まで乗車でき、平時はキャンピングカーにもなる。価格は2500万円と安くはないが、地元自治体や全国の事業者らから引き合いがある。
「今後、防災仕様のバスが必要になる。乗ってみて便利さを試してもらいたい」と呼び掛ける。深澤自動車修理工場TEL054・369・2251
