北播

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災害時に、ドローンを使った協力協定を結んだ加東市の安田正義市長(右から2人目)と関係企業の関係者ら=加東市社(加東市提供)
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災害時に、ドローンを使った協力協定を結んだ加東市の安田正義市長(右から2人目)と関係企業の関係者ら=加東市社(加東市提供)
災害時における無人航空機の運用に関する協定を結んだ加東市の安田正義市長(右)。一般社団法人ドローン撮影クリエイターズ協会の関係者から説明を受ける=加東市社(加東市提供)
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災害時における無人航空機の運用に関する協定を結んだ加東市の安田正義市長(右)。一般社団法人ドローン撮影クリエイターズ協会の関係者から説明を受ける=加東市社(加東市提供)
熊本県人吉市の避難所に設置された布と紙管の間仕切り(ボランタリー・アーキテクツ・ネットワーク提供)
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熊本県人吉市の避難所に設置された布と紙管の間仕切り(ボランタリー・アーキテクツ・ネットワーク提供)
熊本県人吉市の避難所に設置された布と紙管の間仕切り(ボランタリー・アーキテクツ・ネットワーク提供)
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熊本県人吉市の避難所に設置された布と紙管の間仕切り(ボランタリー・アーキテクツ・ネットワーク提供)

 自然災害が多発する中、自治体と民間事業者との間で災害時の応援協定を結ぶ動きが加速している。事業者の社会貢献が活発になっているのに加え、阪神・淡路大震災や東日本大震災の応援を経験した自治体職員が、災害時に行政だけでは十分な対応ができないと気付いたことが背景にある。過去に加古川などの河川氾濫で大きな被害を受けた兵庫県の北播磨でも積極的に締結を進めている。(長嶺麻子、中西大二)

 「今でもあの光景は忘れられない」というのは加東市防災課の三木秀仁課長(52)。阪神・淡路の発生直後に神戸入りした際、物資を運ぶ大型トラックが被災地の路地で立ち往生する様子を目の当たりにした。「軽トラックがあれば小回りがきく」。同市は7月、兵庫県トラック協会に続き、赤帽兵庫県軽自動車運送協同組合と協定を結んだ。

 同市が市制発足後14年で結んだ協定は約50に上るが、今春から8月までの短期間に12事業者と締結。阪神・淡路や東日本の現場に足を運んだ三木課長らが事業者をリストアップし、協定締結をけん引する。

 6月には地図情報会社ゼンリンとも手を組んだ。東日本大震災後に派遣された宮城県多賀城市で家屋被害認定の調査を担当。土地勘はなかったが、現地でもらった住宅地図が大いに役立った。地図は応援職員やボランティアには不可欠で、安否確認や、り災証明発行にも欠かせないと痛感した。

 2年前に豪雨被害に遭った岡山県倉敷市へ派遣された上月克己主査(32)も今春、加東市へ戻り、協定事業を担う。川の氾濫などに見舞われた現地の事例を参考に、同市は8月、現場の状況を迅速に把握できる小型無人機(ドローン)を使った協定を企業や一般社団法人と締結した。同市防災課は「近年は災害規模や被害が大きく、多様な協定が災害対応を強める」と必要性を強調する。

   ◇   ◇

 2004年の台風23号で、1625戸が浸水し死者1人の被害が出た西脇市。被災後、市内を流れる加古川などで国による治水対策が進められるのと同時に、市は各方面との災害時協定に積極的に取り組んだ。福祉施設と、災害時要援護者の避難施設開設や、業界団体と医薬品や燃料の優先供給、民間との生活物資の供給など、特にこの数年で加速し、対象は57件に及ぶ。

 最近では、新型コロナウイルス感染症対策を考慮した協定も。同市は7月、避難所での簡易式間仕切りの提供を巡り、NPO法人「ボランタリー・アーキテクツ・ネットワーク」(VAN、東京都)と協定を結んだ。飛まつ感染防止やプライバシー保護を期待する。

 VANを率いる建築家坂茂さん(63)は、阪神・淡路以降、全国の被災地に布と紙管を使った間仕切りシステムを広めている。「災害が発生してからの提供では自治体側が混乱する。事前に協定を結んでおけばスムーズ」と話している。

■自治体間でも増加 実効性持たせる努力必要

 協定締結の動きは自治体間でも活発化している。近隣や友好、姉妹都市間で結ぶケースのほか、まちづくりが縁でつながる場合も。「日本のへそ」を掲げる西脇市をはじめ、各地で「へそ」や「中心」を名乗る自治体で構成する「全国へそのまち協議会」もその一つ。発足から12年後、東日本大震災がきっかけで相互応援の覚書を締結した。昨年は加盟の福島県本宮市と栃木県佐野市が台風19号で被災。西脇市は両市へのふるさと納税(災害支援寄付)の代理受け付けを担った。

 赤穂、加東、加西など赤穂義士ゆかりの全国23市区町が結ぶ「義士協定」では、熊本地震で被害に遭った加盟自治体へ救援物資を送っている。

 このような動きについて、危機管理が専門の兵庫県立大大学院減災復興政策研究科の紅谷昇平准教授(49)は「東日本大震災や熊本地震の経験を経て、他の自治体からの応援や民間資源の活用が不可欠という認識が広がった」と分析する。

 一方、形式的で十分に機能しなかった例も少なくないと指摘。「定期的な意見交換や合同訓練を通して協定に実効性を持たせる努力が必要」と話している。

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