北播

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側溝の下から撮影した地蔵の姿。昔と変わらず今も下を向いている=小野市高田町
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側溝の下から撮影した地蔵の姿。昔と変わらず今も下を向いている=小野市高田町
橋の地蔵を紹介する石碑。画面下にうつぶせになっているのが地蔵だ=小野市高田町
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橋の地蔵を紹介する石碑。画面下にうつぶせになっているのが地蔵だ=小野市高田町

 兵庫県小野市高田町の田園地帯を歩いていると、奇妙な地蔵を見つけた。うつぶせになった地蔵が、側溝に架かっている…? 傍らに立つ石碑には「橋の地蔵」と書いてある。実はこの地蔵、1970~90年代に放送されたアニメ「まんが日本昔ばなし」で取り上げられ、全国的に有名になったそうだ。地蔵は約30年前、耕地整理で現在の場所に移されたが、今も参拝者は絶えないという。(杉山雅崇)

 早速、調べてみると、市文化連盟がまとめた「ふるさと伝え語り」に、老婦人と地蔵の心温まるストーリーが記されていた。

 その昔、この地蔵に参るのを唯一の楽しみにしていたおばあさんがいた。毎日のように、道と地蔵を隔てる溝を渡って拝んでいたが、やがて腰が悪くなり、満足にお参りできなくなった。

 そんなある日、おばあさんが久しぶりに参拝にやってきた。ところが、急に腰が痛くなりさっき乗り越えた溝も渡れなくなったという。途方に暮れるおばあさん。

 (中略)すると突然、地蔵が「私が渡してあげよう」とうつぶせに倒れ、溝に架かる橋のようになった。おかげで、おばあさんは溝を渡ることができた。

 おばあさんは喜んだ。

 お礼に地蔵をなでると、どうしたことか腰の痛みは消えた。以来、多くの人々が足腰を治してもらいに訪れるようになった。

 1980年代にこの話がアニメで取り上げられると、瞬く間に全国に知られるように。場所は変わったが、小野市が94年、地元に残る昔話を伝えようと石碑を建立した。

 地蔵の近くに住む友定正博さん(65)によると、60年ほど前には、現在の場所から20~30メートルほど離れた田んぼ脇の溝に、うつぶせの地蔵が、橋代わりに架かっていたという。

 住民は、事あるごとに地蔵に手を合わせ、花や水を供えてきた。友定さんは「せっかく郷土に面白い話が伝わっているので、多くの人に知ってもらいたい」と話している。

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