兵庫県西脇市は、来春に市役所新庁舎を同市下戸田へ移転するにあたり、同市郷瀬町の現庁舎や市民会館など周辺の跡地の活用案を作成するために、民間事業者などによる提案を受け付けている。対象となる面積は計3万平方メートルを超え、移転後は2021年度中をめどに建物を解体し、更地にして売却または貸与していく。(長嶺麻子)
処分を予定するのは、市役所本庁舎▽市民会館▽市役所第二庁舎▽生涯学習まちづくりセンター▽健康づくりセンター▽市役所南側駐車場▽同北側駐車場▽旧農業改良普及センター▽旧国鉄官舎跡地▽市公用車車庫-の10カ所。社会福祉協議会が使用する旧保健所は維持する。
現庁舎も市民会館も建設から半世紀以上が過ぎ、老朽化が著しいのと共に、耐震性に問題を抱える。同市では、財政健全化の観点から、余剰、遊休化する公共施設は処分を原則としており、18年に策定した新庁舎・市民交流施設整備基本計画でも、跡地処分の方針を打ち出していた。
活用法は、民間事業者との対話を通じて、市場性を把握し、アイデアを収集する「サウンディング型市場調査」を適用。20日までに大規模用地の活用実績のある事業者や金融機関などの参加を呼び掛け、12月中旬までに調査を実施する。
用地は市街地の一角にあり、警察署やハローワークなどの官公署に近接。大半は第二種住居地域で、全体、一部での利用を問わず案を募るという。市の担当者は「大規模で、接道の広さも十分。地域の新たなまちづくりにつながる活用に」と期待を寄せている。
