兵庫県加東市内で昨年に収穫された酒造好適米の品質を確かめる加東地区酒米品評会(神戸新聞社後援)が、同市貝原のJAみのり加東営農経済センターであった。例年、天候に大きく左右される酒米だが、今年は新型コロナウイルス感染症の影響による先行きを不安視する声も聞かれた。
品評会は、酒米農家の生産意欲向上を目指し2011年にスタート。生産農家が収穫した酒米のうち事前審査で選んだ山田錦200点、愛山10点が並んだ。この日は、農産物検査員ら10人が粒の形状や光沢を審査。最優秀の県知事賞や加東市長賞など17点を選んだ。
昨年の夏の高温と小雨の影響で粒が細く、品質は全体的に少し落ちるという。等級検査でも、5等級のうち、上位の「特上」と「特」は8割を切った。
加えて、酒米農家では同感染症の影響に直面する。同センターによると、日本酒の需要が落ち込んで酒造会社からの注文が減り、昨年は全体で約15%の減産になったという。今年はそれ以上になる恐れもあり、石田康治センター長(60)は「天候以上に感染症の影響が心配」と気をもんでいた。(中西大二)
