狂言の面白さを児童らに 映像収録し鑑賞へ 加東

2021/01/08 05:30

茂山宗彦さんが演じる「柿山伏」=やしろ国際学習塾

 地域の子どもたちに本物の伝統文化に触れてもらおうと、兵庫県加東市上三草、やしろ国際学習塾で7日、大蔵流狂言の茂山逸平さんらが狂言を上演した。4小学校の6年生が鑑賞する予定だったが、暴風雪などの警報が発令されたため、無観客で開催。代わりに上演の模様や解説を収録し、DVDに編集した上で教材として各小学校に渡す。 関連ニュース 動物テーマに新旧の狂言3作 茂山千五郎家5人上演 31日、西宮・芸文センター 創設60周年「淡路人形座」、1年通し多彩な催し 狂言師野村萬斎さんや講談師神田伯山さんの公演も 野村萬斎さんら10年間指導、「こども狂言塾」最後の公演へ 延べ117人が受講、加西市民会館で16日

 加東文化振興財団の主催。「体験する伝統文化 はじめての狂言」と題して、初めて開催した。同学習塾のLOCホールにはこの日のために能舞台を設置。足拍子の響きをよくするため、所作台と呼ばれる台も敷いた。
 舞台では茂山宗彦さんが柿を無断で食べた山伏がさまざまな動物のまねを強いられる「柿山伏」を熱演。茂山逸平さんらが「附子(ぶす)」も演じ、滑稽味あふれる動きを披露した。続いて、逸平さんが狂言の歴史などを解説する模様を収録。舞台で、「日本で一番古いお笑い」「当時は屋外で演技していたので、大きな声やゆっくり動く演出方法が編み出された」などと解説した。
 8日は市内の残り5小学校の6年生が鑑賞する予定。同財団では「伝統文化を伝えたいとの思いから開催した。狂言は子どもらに一番親しみやすいので、今後は年に1度、教室を開きたい」としている。(中西大二)

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