兵庫県内の自治体が昨年に発行した広報媒体の中から、優秀な作品を表彰する「第68回兵庫県広報コンクール」の広報紙部門町の部で、多可町の「広報たか6月号」が、最高賞の特選に輝いた。新型コロナウイルス感染症の影響下で、奮闘する町民に光を当てた点が評価された。
6月号は、同感染症の拡大で緊急事態宣言が発令される4、5月に取材した記事。苦境に立たされる飲食店や地場産業である播州織の関係者、休校中の教育現場を訪ね、「前を向かんと。」のテーマで特集した。
苦境にあえぐ飲食店が団結してテークアウトキャンペーンを展開したり、食事券を「コロナ退散」の木札として販売したり。アパレル不況で受注が激減する中、布マスクの生産に取り組むなど創意工夫で危機を乗り切る人たちを取り上げた。
広報たかの執筆を1人で担う企画秘書課の吉田美千留さん(40)は「本来、広報は行政が伝えたいことを掲載するが、何か町の人たちが盛り上がれるような話題提供を意識して作っている」という。特選の結果を受け、「これからも現場を取材して、町を明るくできれば」と語った。
同町関連では、同コンクール映像部門でたかテレビが努力賞、県町議会広報紙コンクールで多可町議会だよりが最高賞の優秀賞を受けた。(長嶺麻子)
