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神結酒造の「のこぎり屋根」の建物。全長約50メートル。このうち3分の2が解体される。全国でも珍しい光景で、関東から愛好家が訪ねて来ることもあったという=加東市下滝野
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神結酒造の「のこぎり屋根」の建物。全長約50メートル。このうち3分の2が解体される。全国でも珍しい光景で、関東から愛好家が訪ねて来ることもあったという=加東市下滝野
建物の中。漏れる光が往時の面影を語るようだ=加東市下滝野
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建物の中。漏れる光が往時の面影を語るようだ=加東市下滝野
神結酒造のそばを流れる加古川。周辺は堤防が築かれ、風景も大きく変わる=加東市下滝野
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神結酒造のそばを流れる加古川。周辺は堤防が築かれ、風景も大きく変わる=加東市下滝野
残ったのこぎり屋根の建物は、倉庫や冷蔵庫として活用する=加東市下滝野
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残ったのこぎり屋根の建物は、倉庫や冷蔵庫として活用する=加東市下滝野

 かつて播州織の工場を象徴した「のこぎり屋根」が消えようとしている。神結酒造(兵庫県加東市下滝野)では織物工場で使われていた建物を20年前から、社屋兼倉庫として利用してきた。だが6月、そばを流れる加古川に堤防を築くため大部分が解体される。地域の記憶を伝える屋根。その姿が変わる前にレンズを向けた。(中西大二)

 のこぎり状の屋根は光を取り入れるため。停電が多かった当時の知恵と工夫から生まれたとされる。

 旧滝野町では播州織の最盛期だった昭和30年ごろ、50以上の工場が操業、のこぎり屋根も各地にあったという。その後、安価な外国製などに押され、現在、加東市内では3社ほど。往時の面影を残す屋根も今は数えるほどしかない。

 神結酒造の「のこぎり」は、戦後すぐに建てられたかつての織物工場。屋内は手直ししたが、外観はほぼ当時のままで20年前から使用する。

 滝野地域では2004年の台風23号で加古川が氾濫し水害に見舞われた。国土交通省は約2・7キロの堤防を築く工事を17年から開始。周辺では家屋の立ち退きが必要で、同酒造の建物も3分の2は解体される。「地域が生活していくためには必要な工事」と同酒造専務の長谷川妙子さん。一方で昔の光景が失われ、寂しさを募らせる住民もいる。

 解体を免れる建物は窓をふさぐなどして、ほぼ現状のまま倉庫として使う。長谷川さんは言う。「これからも皆さんの心に残る酒蔵でいたい。工事を出発点とし、残った建物とともに、新しい姿を次代へ引き継いでいきます」

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