アウトドアから小物まで続々 播州織「タカタータン」

2021/04/09 05:30

タカタータンで作ったタープやいす、テーブルクロスなどのアウトドア用品=チャッタナの森

 兵庫県多可町のイメージを6色で表現した播州織の「タカタータン」を使い、町が積極的に商品開発に乗り出している。かばんやハンカチなどの小物にとどまらず、町内のキャンプ場にはタータン仕様のコテージやアウトドア用品まで登場。これまで生み出したグッズは34点に上り、「町の魅力と播州織をアピールする機会に」と普及を進めている。(伊田雄馬) 関連ニュース 播州織マスク、コロナを撃退 独自の加工で99.9%以上除去 「神戸タータン」のリカちゃん人形 三宮で限定発売 トータス松本さん「あれやろ、ダイエーのとこ」地元トーク炸裂


 タカタータンは町観光交流協会副会長でデザイナーの小谷直美さんが考案。2019年7月、本場・スコットランドの登記所に登録された。
 ハンカチや髪飾り、エコバッグに縫いぐるみ…。同町では「布で作れる物ならなんでも」の姿勢でグッズを開発。職員が使用する公用車にまでタータンのラッピングカーが登場し、ついに布以外にも進出した。
 飽くなき開発意欲は室内を飛び出し、屋外で使うアウトドア用品へ。きっかけは20年度、タータンを使った町のPRが県と国の補助金事業に採択され、「網目の大きなタータンを織ることができた」(商工観光課)ことという。これにより大きな物を作っても柄をきちんと認識できるようになり、雨でも使えるはっ水加工や保温性が高い起毛素材も誕生し、格段に用途が広がった。
 ピクニックシートやハンモック、日差しよけのタープなど、誕生したアウトドア用品は7点で、同課は「いずれは市販化も」と展開を描く。現在は町余暇村公園内の「チャッタナの森」でレンタル利用できる。
 さらに1月、園内のコテージに現れたのが「多可タータン仕様」の部屋。緑のカーテンやベッドカバーは木の壁や床とマッチし、優しい雰囲気に。町観光交流協会の藤井英延会長(72)は「かわいらしい仕上がりなので、ぜひ女子会などに利用してほしい」とアピールする。
 町はタカタータンを町の広告塔とし、今後もさまざまな商品を生み出す方針。県内ではほかに「神戸タータン」、「篠山タータン」もあり、同課は「兵庫のタータンを集めた物産展も企画したい」と、他市との連携を模索している。
 タータン仕様の部屋とアウトドア用品利用の問い合わせは同協会TEL0795・32・4779

神戸新聞NEXTへ
神戸新聞NEXTへ