「日本一低い山脈」侮らないで 小野アルプスで救助事案発生 消防が注意呼び掛け
2021/05/13 05:30
小野市消防本部が実施している小野アルプスでの山岳訓練。「低い山でも登山には注意を」と呼び掛ける=2019年1月、小野市来住町
日本一低い山脈とされる兵庫県小野市南部の「小野アルプス」の登山について、同市消防本部(同市王子町)が注意を呼び掛けている。新型コロナウイルスの影響で、密を避けた手軽なアウトドアが注目され、比較的登りやすいとされる小野アルプスを訪れる登山客が目立つ。登山シーズンに入った今月には、ヘリコプターが出動する山岳救助事案も発生。同本部が警戒を強めている。(杉山雅崇)
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小野アルプスは、白雲谷温泉ゆぴか(同市黍田町)から福甸(ふくでん)峠(同市下来住町)まで連なる山並みの総称で、標高は100~200メートルと低く、手軽なハイキングコースとして多くの人に親しまれている。
ここ5年の山岳救助事案は3件で比較的安全とされるが、今月4日午前には、同県伊丹市の男性が山上で体調不良を訴え、動けなくなる事案が発生した。救急隊員による搬送が困難と想定され、同本部は県のヘリコプターの出動を要請。男性をつり上げて収容し、大池総合公園(同市王子町)まで搬送した。男性の命に関わるけがや症状はなかった。
例年、気温が上がるゴールデンウイークから登山者が増え、大阪や神戸など、遠方からの来場者も少なくない。2020年度には約2万3千人が訪れている。
同市観光交流推進課によると、コロナ禍でも市内外から、登山口や駐車場などの問い合わせが相次いでいるといい、市消防本部は山岳事故を警戒している。
同課の担当者は「日本一低いとはいっても、高低差がきついところがある」とした上で、「山に入ると、サンダルやスニーカーで登っている人が少なからずいる。登山であることは変わりないので、それなりの装備は必要」と呼び掛ける。同本部も「これから登山客は増えていくはず。山岳に合った装備で登り、体調管理をしっかりしてほしい」としている。