貸し切り列車で披露宴、鉄道愛好家の仲間が企画 北条鉄道
2021/07/27 05:30
友人たちが飾り付けた車内で披露宴を開いた佐柄忠憲さん、睦子さん=加西市北条町北条、北条町駅
 兵庫県小野市と同県加西市を結ぶ北条鉄道で25日、列車1両を貸し切った披露宴があった。新郎新婦は神戸市西区の会社員、佐柄忠憲さん(44)と睦子さん(41)で、忠憲さんの中学、高校の同級生らの鉄道愛好家仲間が企画。参加者たちは車外に広がる景色を楽しみながら、2人の門出を祝っていた。
          
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 忠憲さんは、同区の王塚台中学校の卒業生。メンバーには同校写真部員が多く、鉄道の写真などを撮っていた。忠憲さんも鉄道が好きで、所属はテニス部だったが、一緒に活動することも多かったという。
 その後、進学や就職しても鉄道に乗りに行ったり、撮影したり活動を続けた。鉄道で東京や富山など遠隔地に引っ越した仲間に会いに行ったこともあった。
 忠憲さんたちは婚姻届を出したが、新型コロナウイルス感染症の収束を見越して10月に挙式予定。ただ、仲間たちが祝う機会を設けたいと、北条鉄道を利用したパーティーを企画した。
 当日は仲間やその家族ら約20人が参加。列車内を紙で手作りした造花やテープなどで飾り、2人を迎えて出発。事前に製作した記念乗車証に2人がはさみを入れて回り、プロフィルの紹介や祝電披露などを繰り広げた。停車した列車の中で食事を楽しんだり、二胡の演奏を鑑賞したりもした。
 忠憲さんと睦子さんは「好きな列車を使って昔からの友人が祝ってくれた。うれしい」と笑顔で話していた。(小日向務)