枯れ草焼却中、倒れた男性に延焼した火迫る 母娘が救助と消火「なんとか消さなきゃと必死」
2021/11/16 05:30
小野市消防本部から感謝状を受け取った山畠米子さん(右)と千恵さん=小野市王子町
枯れ草の焼却中に倒れた高齢男性を救出したとして、兵庫県小野市消防本部(同市王子町)は、同市の山畠米子さん(80)と娘の千恵さん(51)に感謝状を贈った。延焼した火が男性に燃え移る寸前、2人は初期消火と意識確認を行い、同本部は「迅速な対応で最悪の事態を防いでくれた」とたたえた。
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同市消防本部によると、火災は10月30日に発生した。同市の自宅にいた千恵さんは、米子さんを探すため隣の空き地を見たところ、近所の男性が意識を失い、枯れ草を燃やしている火の近くで倒れていた。
延焼した火は男性のすぐそばに迫り、置いてあったバケツも熱で溶けていた。千恵さんは男性をあおむけに起こして意識を確認した後、水道からつないだホースで消火。米子さんは別の出動で近所に来ていた救急隊に事態を伝えた。
しばらくして消防車と新たな救急車が現場に到着し、火災は大事に至らなかった。脱水症状で倒れた男性は北播磨総合医療センター(同市市場町)に搬送されたが、命に別条はないという。
千恵さんは「なんとか火を消さなきゃと必死だった。男性が無事で良かった」と笑顔。米子さんは「当たり前のことをしただけ、という認識です。近所の人が助かって安心している」と話していた。(杉山雅崇)