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日本酒に対する思いを込めた「QA」と7代目蔵元の三宅文佳さん=三宅酒造
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日本酒に対する思いを込めた「QA」と7代目蔵元の三宅文佳さん=三宅酒造

■「土」への思い込め新銘柄

 新たなブランド「つちをきく」を設立し、第1号として近く本格的に発売する「QA(クエ)」には、蔵元に就任するきっかけとなった思いを込めた。

 2018年から2年間、夫の仕事のためドイツで暮らした。現地でできた知人らに「酒蔵の娘」と自己紹介したが、「日本酒はおいしくない」などと言われ、「悔しい思いをした」という。店で売られていた日本酒は温度管理などが不十分で、大半の品質が低下していた。

 半面、家業の酒蔵についての話には、みんな関心を示した。北播磨は日本を代表する酒米「山田錦」の生産の本場。近くを流れる万願寺川水系の水を使って地元の九会地区で栽培した山田錦と、同水系の伏流水から取る井戸水で日本酒を造る。創業は1819(文政2)年と約200年の歴史も誇る。

 ヨーロッパでは、おいしさはもちろんだが、土壌や気象といったブドウを栽培し、ワインに醸造する土地に強くこだわるなどストーリーも大事にされる。そんな文化と共通点のある実家の姿勢に知人らが引かれたようだった。温度を管理して送ってもらった酒も好評だった。

 家業の価値を再認識し、「土地へのこだわりを突き詰めたい」と決心を固めた。帰国した2020年4月から3カ月後、現社長でもある6代目蔵元の父新一郎さん(62)から引き継ぎ、7代目に。酒造りの勉強をしながら、準備してきたのが「QA」だった。

 名称は土壌や気候などに対する「問い掛け」や「対話」を意味する英語のクエスチョンの「Q」と、できた日本酒がそれに対する答え(アンサー=A)を合わせ、地元・九会(くえ)地区の名前を掛けた。同酒造は「菊日本」が第1ブランド。新しい「つちをきく」には、「土地」に対するこだわりの思いを込めた。

 ワインとは違い、日本酒の醸造は酒米を作る農家と蔵との分業となる。日本最古の地誌とされる「播磨国風土記」には、米で酒を醸造していたとの記述があり、「千年を超える長い間の稲作で培われてきた米の味。『農醸協働』で、その味を生かした日本酒が造りたい」と瞳を輝かせる。

 QAは同酒造の直売店やオンラインショップ、加西市内の一部店舗などで既に販売しているが、本格的な販売はまだ。直売店などで思いについてしっかり説明して「どのように伝えるかをしっかり考えてから」本格的に出荷するという。

 QAは九会産の山田錦で醸造し、精米歩合60%の純米吟醸酒。「米の味がして、酸味できりっと締めた味わい」と説明する。2種類あり、アルコール度数18度の原酒が720ミリリットル瓶で2200円、飲みやすくした15度が1760円。それぞれ300ミリリットル瓶もある。同酒造TEL0790・49・0003

(小日向務)

   ◇

【記者の一言】三宅さんと最初に出会ったのは昨年11月、播磨農高生が育てた山田錦で醸造した日本酒「播農」の取材だった。その場でもドイツでの経験や日本酒へのこだわりを熱く語ってくれた。最近では、加西飲酒運転根絶大使としての活動や日本酒「飲んだら乗るな」の発売などにも取り組んでいる。最近、全国で酒蔵の若い担い手らが新しい試みに挑戦している。三宅さんのエネルギッシュな活躍にこれからも期待したい。

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