人気キャラが参拝者をお出迎え AR活用の加東市周遊スポットに神谷稲荷明神社が参加

2021/12/09 05:30

スマホをかざすと現れる「瑞茅」(左)と「咲希」=神谷稲荷明神社

 兵庫県加東市と同市観光協会が進めるAR(拡張現実)を活用した市内周遊のスポットに、新しく神仏習合の社「神谷(こうだに)稲荷明神社」(同市栄枝)が加わった。同神社の公式ツイッターで人気を呼ぶ女の子のキャラクターが画面に登場。スマホをかざすと、お稲荷さんの使いのキツネ「咲希(さき)」と、弁天さんの使いの白蛇「瑞茅(みずち)」が参拝者を出迎える。厳粛な神仏習合の社で、スマホを手にした人たちが増えている。(中西大二) 関連ニュース まるで「ツバメ団地」、軒下に50個近い巣 ふんよけの傘カラフルに 丹波篠山のゴルフ場 雇用促進、地域活性へ協定 丹波市とリクルート 28日にはセミナー 温室ガス排出48%削減 2030年度までに 加古川市、目標改定へ


 まちなかARは密になりにくく、コロナ下の新たな観光施策で、加東市では交流人口の拡大を目的に今春から市内各所にスポットを設置。これまでに市役所、JR滝野駅付近、五峰山光明寺、加東市観光協会に置かれた。市役所では市マスコット「加東伝の助」が登場。滝野駅は旧滝野町のマスコットだった「アユッキー」が現れ、キャラクターと記念撮影も可能だ。
 神谷稲荷明神社は高野山真言宗の神谷山持明院の中にある。そばにある神谷山禅瀧寺の塔頭(たっちゅう)で、伽藍(がらん)一体は約1400年前の建立とされる。森見生(けんじょう)副住職(38)は明治期の神仏分離で「神仏習合はほとんど消滅した」と説明する一方、同神社では神仏習合の神道独特の祭祀(さいし)を見られる。
 これまで参拝者は皆無に近く、次代への継承に危機感を持った森副住職は約3年前にネットを使った情報発信を開始した。中でも「身近に感じてもらえれば」と、独自のキャラクター「咲希」「瑞茅」が登場するツイッターがヒット。12月8日時点で、北播磨地域でトップクラスの約4900のフォロワーを持つ。
 今秋加東市と同市観光協会からスポット設置の依頼を受けた。神社側は「ARなら景観を乱すことなく、まちの活性化にも協力できる」と新たなスポットに加わった。
 まちなかARは今後、市内各所に拡大する方針。最近は若年層の観光客を見かけるようになったといい、市の担当者は「地域の話題やサイクリングなど、市の観光と親和性があるものを順次ARにできるよう検討する」としている。
 AR利用にはアプリのダウンロード(無料)が必要。ネットで「かとう観光ナビ」を検索。市観光協会TEL0795・48・0995

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