風雪が磨く白「凍りこんにゃく」生産ピーク 柔らかな肌触りが人気 多可
2022/01/14 05:30
雪の中でこんにゃくを天日干しする藤原さん(手前)ら=多可町加美区丹治
兵庫県多可町の山あいで洗顔用スポンジとして使われる凍りこんにゃくの生産がピークを迎えている。「畑中義和商店」(同町加美区丹治)の看板商品「つやの玉」は、自然な製法と柔らかな肌触りが国内外から人気。ここ数日の寒波で雪化粧した山々に囲まれ、日光と風雪にさらされたこんにゃくは自然な白さを増す。
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1887(明治20)年創業の同社は、2017年に藤原尚嗣さん(30)が社長に就任。パッケージの一新や下請け脱却などの戦略が功を奏し、引き合いが急増している。
防腐剤を使わないため、生産は11~3月の寒期に集中。コンニャクを台の上に並べ、片面で5日間ずつ天日干しする。寒いほど水分が抜けてきめ細かなスポンジになるといい、藤原さんは「今年は冷え込みが強いので、品質の良い商品になりそう」と期待を込める。
今年は前年並みの約60万個を生産し、半分は海外へ輸出される見込み。「先代が高めてくれた品質を守り、多くの人に喜ばれる製品を作っていきたい」と話す。(伊田雄馬)