健常者と障害者つなぐブランド 自閉症の女子中生がモデル ふるさと納税返礼品に
2022/01/29 05:30
モデルのアーリさん(中央)と母親の嶋尾みち子さん(右)、北尾美和さん=加西市内
兵庫県加西市や姫路市の起業家らが、健常者と障害者の懸け橋となることを狙って、障害のある女子中学生がモデルを務めるブランド「Studio Ar-ch(スタジオ アーチ)」の製品を開発した。教材や弁当などを入れるかばんや巾着の「入園入学グッズ5点セット」で、加西市のふるさと納税返礼品に登録されており、関係者は「これからも魅力的な商品を開発していきたい」と話している。(小日向務)
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同ブランドは、姫路市の嶋尾みち子さん(49)が設立。知的障害を伴う自閉症がある長女の中学1年、アーリ=本名・朱織(あかり)=さん(13)がモデルを務める。ブランド第1段として昨年、Tシャツも製作した。
一方、加西市でスタジオ「KIREI PLUS(キレイプラス)」の運営などを手がける美容師の北尾美和さん(48)が、撮影時などのヘアメークなどで協力。特産品販売や飲食の「えぇもん王国」経営の深田美香さん(48)が販売窓口となる。
入園入学セットは、小学校などで、よく利用される教材や靴入れのバッグと、弁当などを入れる巾着3点のセットで、いずれも厚手の綿生地。「入学時などにそろえる定番の組み合わせで、需要がある」として選択した。色は「インディゴ」と黄色、ピンクとし、「大人でも使いやすいようにした」とする。今回からアーリさんの上半身を描いたイラストロゴを商品に貼っている。
嶋尾さんは「障がいがある場合、社会との関わりなしに生活するのは難しい。ブランドの活動を障がい者と健常者とをつなげるきっかけにしたい」と話す。アーリさんは「かっこいい商品ができてうれしい」と話していた。
返礼品の場合、寄付額は2万5千円。えぇもん王国(改修休業中のため午前中のみTEL0790・42・1982)で販売もしている。7500円(送料別)。