東北からディーゼル列車がやってきた! 「キハ40形」北条鉄道が導入記念イベント

2022/02/27 17:45

北条鉄道への導入を記念し「津軽三味線列車」「なまはげ列車」として運行されたキハ40形=北条町駅

 東北を走るJR東日本五能線から、兵庫県加西市の北条鉄道が譲り受けたディーゼル列車「キハ40形」の導入記念イベントが27日、同鉄道北条町駅(同市北条町)などで開かれた。3月からの本格運行を前に、抽選で選ばれた市民ら約200人が乗車。車内では津軽三味線や伝統芸能のなまはげが上演され、参加者はゆっくりと流れる車窓風景を堪能した。 関連ニュース 【動画】じゃれあうスナネコの四つ子 地方私鉄から熱烈オファー!「モテ期到来」の「キハ40形」3つの魅力 HOKUBANプレミアム~北播磨の宝(6)列車貸し切り

 同列車は秋田県能代市から青森県五所川原市を結ぶJR五能線で運行され、昨年3月に引退。国鉄時代に製造されたディーゼル列車で、かつて全国各地で走行したが、老朽化とともに多くが姿を消した。
 キハ40形は五能線を走っていた当時の姿で登場。白地に青の三本線が引かれたレトロなデザインで、ヘッドマークには「ようこそ 東北から加西へ」と記された。なまはげも描かれ、東北との絆を強調した。
 オープニングセレモニーではミュージシャンのタケカワユキヒデさんがビデオレターを寄せ、映像内で代表曲の「銀河鉄道999」を熱唱。北条鉄道の社長でもある加西市の西村和平市長は駅員の制服に身を包み「キハは東北の風雪に耐え抜いてきたサラブレッド。皆さんと一緒に大切にしていきたい」とあいさつした。
 記念運行では、1337人の応募者から選ばれた約180人と、クラウドファンディングに協力した企業の20人が乗車。4回に分け、北条町-粟生駅間を往復した。午前10時すぎに発車した「津軽三味線列車」第1号では「鉄アナ」として知られるラジオ関西の羽川英樹アナウンサーがガイドを務め、各駅の見どころを紹介。沿線にはカメラを構えた「撮り鉄」や手を振る近隣住民の姿もあった。
 青森県出身の津軽三味線奏者2人による演奏では、迫力ある音色が車内に響き、乗客は車窓の風景に奥津軽の雪景色を重ね合わせた。家族で参加した加西市の会社経営の男性(47)は「進むときの重低音に、深い雪を押しのけるトルクを感じた」と感心していた。
 キハ40形は3月13日の特別運行を経て、同14日から本格的に運行する。(伊田雄馬)

神戸新聞NEXTへ
神戸新聞NEXTへ