ふるさと納税1万円、女子大生が観光大使に 4月で任期満了、再就任狙う 多可町

2022/03/27 05:30

「タカタータン」の衣装でイベント案内係を務めた青山桃子さん=多可町中区牧野

 兵庫県多可町が「日本一気軽に就任できる」とうたって募ったツーリズムアンバサダー(観光大使)に、大阪府高槻市在住の立命館大学3年、青山桃子さん(21)が就き、イベントの案内役などを務めている。大使就任は、ふるさと納税1万円分の返礼品。新型コロナウイルス禍で海外留学を断念したという青山さんは「『今しかできないことをしたい』という気持ちがきっかけだったけど、知るほどに多可町の魅力に気づいた。もっと広めたい」と笑顔を輝かせる。(岩崎昂志) 関連ニュース 西日本初!ふるさと納税返礼品は「空の散歩」 気球に乗って地上150m、45分間飛行 アウトドアから小物まで続々 播州織「タカタータン」 セレブや芸能人が入浴剤に注目 ふるさと納税返礼品で人気爆発


 新型コロナで青山さんの大学生活が一変したのは、1年生の終わり頃。夏休みに語学留学をしようと、行き先を調べていた矢先だった。講義はオンラインになり、大学に行くのは年数回だけ。新しくできた友人ともなかなか会えないまま、早くも就職活動が目前に迫る。「大学生らしいこと、全然できてない」と気持ちがふさいだ。
 多可町の観光大使募集は、ネットで偶然見つけた。募集要項を読むと「1日1回多可町を思い出していただける方ならどなたでも」。面白そう-。青山さんの心が弾んだ。実は多可町は母親の古里で、今も祖父母が住んでいる。幼い頃には夏休み中、山や川で遊んだ記憶もある。「私にとっても大切な町。チャレンジしてみよう」
 新型コロナの影響で活動機会は多くはないが、今月19日に余暇村公園(同町中区牧野)であった観光イベントで、案内所に立った。町がPRを進める「タカタータン」柄の衣装で、訪れる人たちを出迎えた。「検温役をしていたら『血圧も測ってよ』なんて笑わせてくれる人もいて。あったかい町だなあって思います」
 1年間の大使任期は、4月で満了を迎える。青山さんは、もう一度ふるさと納税をして、再就任するつもりだ。「もっとイベントに出てみたい。この町に友達も連れてきたい。ここに来ると、私自身がすごくリフレッシュできるんです」とほほ笑む。

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