兵庫県加東市を流れる加古川の闘竜灘(同市上滝野)で1日、アユ漁が解禁された。今年は埼玉県秩父市の荒川が4月29日に解禁したため、「全国で最も早い」というキャッチフレーズは使えないが、近隣の他の釣り場に比べていち早く、待ちわびた釣り人たちが岩場の上から糸を垂らした。
闘竜灘は奇岩が連なる景勝地でもあり、川の流れが岩を乗り越える様子が竜に似ていることから名付けられたという。解禁日が早いのは、江戸時代に姫路藩主に初物のアユを献上していた名残-などの説がある。
1日朝は直前の雨で増水し、関係者が「ここ数年で一番水位がある」と話す状態だった。岩の段差を覆い隠すほどの水流の中、加古川漁業協同組合が、体長約10センチの稚アユ約200キロ(約2万匹)を放流した。
三田市から家族で来た男性(61)は「きょうは釣果ゼロ。水量が落ちたらまた来ようかな」と苦笑い。同漁協の渡辺昭良(あきなが)組合長(84)は「アユは下流まで流されても、また遡上(そじょう)してくる。引き続き楽しんでもらいたい」と話した。
釣りには遊漁証が必要。同漁協TEL0795・22・2572
(岩崎昂志)
