力自慢の助っ人が里山整備お手伝い パワーリフティングジム生らに「むちゃくちゃありがたい」
2022/05/26 05:30
重い丸太を運び出す「雷神ファクトリー」のメンバーら=加西市上万願寺町
兵庫県加東市下滝野のパワーリフティングジム「雷神ファクトリー」のメンバーが、同県加西市上万願寺町の里山整備を手伝う活動を始めた。ジムで200キロのバーベルを持ち上げる力自慢たちが、トレーニングを兼ねて間伐材の片付けやまき割りを行う。依頼した地元団体は高齢化で人手確保に困っていたといい、強力な助っ人を歓迎している。(岩崎昂志)
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同ジム代表の笹倉伯文さん(43)は昨秋から、まき割りをトレーニングに組み入れている。まきの材料を探していたところ、自然を生かした地域活性化に取り組む「原始人会」(加西市上万願寺町)と知り合い、里山整備を無償で手伝って間伐材を譲り受けることになった。原始人会は地域で借りている里山を管理しているが、高齢化で力作業を自前で行うのが難しくなっているという。
今月21、22日には、同ジムと原始人会のメンバーが集まり、業者が切り倒して山の斜面に置いていたコナラの間伐材を麓へ運んだ。中には直径70センチほどの大きな丸太もあり、参加者らが満身の力を込めて片付けた。まき割りも体験し、おのを振り下ろして割れた瞬間には歓声が上がった。
同ジムに通う男性(35)は「普段とは違う体の使い方で、すごくトレーニングになる。自分たちの肉体が役立つ充実感もある」と汗を拭った。原始人会の国田良一会長(65)は「あんなに重い木は、年配者だけでは出せない。むちゃくちゃありがたい」と話した。
笹倉さんらは今後も随時、整備を手伝うといい、「トレーニングを通じたまちづくりに可能性を感じる。交流を続けていきたい」と力を込めている。