不法投棄監視で国道沿いの側道へ 違和感で車止め近づくと…不明の高齢女性発見「救急訓練が役立った」
2022/06/28 05:30
行方不明になっていた女性を発見した松本信行さん(左)と川村秀樹さん=小野市役所
認知症の高齢女性の救助に貢献したとして兵庫県警小野署は、小野市市民安全部が運用する「安全安心パトロール隊」に署長感謝状を贈った。隊員の松本信行さん(64)と川村秀樹さん(64)が不法投棄のパトロール中、側溝で倒れて衰弱していた女性を発見。素早く119番し、女性の命を救った。2人は「命を助けられて何より」と安堵(あんど)している。(杉山雅崇)
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同隊には、県警OBら計13人が所属。専用の「青パト車」8台で市内を巡回しており、防犯活動や不法投棄の監視などの業務に取り組んでいる。
行方不明事案は、5月10日夜に届け出があった。夕方に家を出た高齢女性の行方が分からなくなり、同署が同隊に捜索協力を依頼した。
松本さんと川村さんは不法投棄監視のため、同11日朝に市役所(同市中島町)を出発した。粗大ごみなどの違法投棄は、人通りの少ない場所で発生しやすいため、市境や山林、側道などを巡回。パトロール中の同日午前11時ごろ、国道沿いの狭い側道を走行していた時、側溝に違和感を持った。ごみだと思い車を止めて近づいたところ、衰弱した高齢女性が横たわっていた。川村さんは「うわあ!」と思わず声を上げた。
意識を確認するために松本さんが呼びかけたところ、かすかな応答があった。川村さんは速やかに119番し、救急隊が到着するまで声をかけながら見守った。
女性は病院に搬送され、無事が確認されたという。松本さんは「女性が無事で何よりです。パトロール隊の存在意義を示せたのでは」と振り返り、川村さんは「本当に良かった。先日受けた救急訓練が役に立ちました」と話していた。