フラワーセンターの食虫植物「世界最長」 ギネス認定、英植物園の記録を大幅更新

2022/08/21 05:30

ギネス世界記録の公式認定証を受け取る石田均園長(左から2人目)と栽培担当の土居寛文さん(右端)=県立フラワーセンター

 兵庫県立フラワーセンター(加西市豊倉町)で栽培する食虫植物ウツボカズラの一種「ネペンテス・トランカータ」の捕虫袋が20日、世界最長のウツボカズラ捕虫袋として、ギネス世界記録に認定された。長さは55・5センチで、英国の植物園が持っていた記録を12・5センチ上回った。公式認定員が記録を発表すると、入園者や関係者ら約100人が、大きな拍手で快挙を祝った。(敏蔭潤子) 関連ニュース 【写真】長さ55・5センチと計測されたネペンテス・トランカータの捕虫袋 ウツボカズラの捕虫袋でっかく成長 世界記録なるか、20日にギネス審査 県立フラワーセンター 食虫植物「ネペンテス・トランカータ」、世界記録上回る大成長! 兵庫県立フラワーセンター


 同センターでは約35年前から食虫植物を栽培。現在は600種類以上、約2万株を育てる。ウツボカズラは葉の先端から伸びるつるに、つぼ状の袋を付け、中に落ちた虫を溶かして養分を取る。
 ネペンテス・トランカータはフィリピン原産。今回計測した株は1990年から、同センター次長の土居寛文さん(60)が栽培する。直径約40センチの鉢に植えていた頃から長さ50センチほどの捕虫袋を付けていたが、10年前に温室内の岩場に移植後、さらに大きく育つようになった。55・5センチの捕虫袋は今年4月に50センチを超え、ふたが開いた。
 この日、温室では食虫植物に詳しい早稲田大の大山隆教授が、種類や生息状況を確認。加西市の測量士内山恭昌さんが手製の測定箱に捕虫袋を置いて物差しを当て、底部からふたの先端までの長さを測った。
 入園者らが審査結果を待つホールでは、公式認定員が「県立フラワーセンターがギネス世界記録を更新した」と発表すると、拍手がわき起こった。
 公式認定証を受け取った同センターの石田均園長は「私たちの栽培技術が世界一と認められた」と誇らしそうに話し、土居さんは「自分の自由時間なんか考えずに世話をしないと、この姿になってくれない。うれしい」と目を潤ませた。
 西脇東中1年の男子生徒(12)は「現物を見たけれど僕の手がすっぽり入るくらい大きい。小さい頃から通っているフラワーセンターが世界一になって、とってもうれしい」と興奮気味だった。

神戸新聞NEXTへ
神戸新聞NEXTへ