「高額なので時間が…」と足止め、トイレにも見張り 職員一丸で逮捕に協力したJA兵庫みらい加西支店

2022/08/31 05:30

感謝状を受けたJA兵庫みらい加西支店の小池秀和支店長(右)とみなと銀行加西支店の内海知之支店長=加西署

 JA兵庫みらい加西支店が、現金2千万円をだまし取った容疑者逮捕に協力し、兵庫県警加西署から感謝状が贈られた。機転を利かせて容疑者を店内に足止めし、署員到着までの時間を稼いだ。職員が手分けして逃走に警戒し、お手柄につなげた。 関連ニュース 怪しい声とメモにピン…ATM入金寸前で待った! 電話口の男も舌打ち、詐欺被害防いだ「お節介」 「50億円当選」詐欺と納得せぬ男性、警官と説得続け入金防ぐ 信金係長、2度目のお手柄 「3億4500万円の入金完了」とメール 不審に感じた金融機関職員、交番へ 兵庫・三木

 7月15日、JA兵庫みらい加西支店で、男性が一緒に来店した女(40)の通帳へ現金を振り込むように依頼した。高額だったため、窓口職員が不審に思い、小池秀和支店長(51)に連絡。ネットワーク接続すると、女が犯罪に関わっていることが判明し、警察に通報した。
 署員が到着するまで約40分間、女が逃走しないように、職員は「高額な振り込みなので時間がかかります」と告げた。女は手提げ袋を持っており、刃物やガソリンなどの危険物の所持を警戒。支店長はロビー内を歩いたり、カウンター内から女性を観察したりしながら、他の客に危害を加えないよう、万一に備えた。
 手洗いに行こうとする女に対し、職員用の店内奥のトイレを案内。窓から逃げることも想定し、屋外で職員に見張らせた。
 駆け付けた署員に逮捕された女は2年前、市内の男性から現金2千万円をだまし取った容疑で警察が捜していた人物だった。小池支店長は「不審者の情報を上司に報告する日頃の訓練が生かされ、冷静に対応できた」と振り返った。
 また、みなと銀行加西支店も7月15日に特殊詐欺被害を阻止し、今月18日の贈呈式で加西署の森井忠署長からそれぞれ感謝状を受け取った。(敏蔭潤子)

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