コンビニ店内を歩き回り「おなかすいた」 5歳児保護のアルバイト学生「人として当然のこと」

2022/09/19 05:30

小野署から署長感謝状を贈られた大学生の河合勇飛さん=小野署

 行方不明になっていた5歳男児を保護したとして、兵庫県警小野署はローソン小野浄谷町店(小野市浄谷町)アルバイトの大学生河合勇飛さん(22)に署長感謝状を贈った。店内を1人で歩き回り、「おなかすいた」などと話した男の子を保護して110番通報。同署の藤原資弘署長は「事件や事故に巻き込まれる前に保護してくれた。大変ありがたい」と感謝する。(杉山雅崇) 関連ニュース 「一度こっちに戻りましょう」 川に飛び込もうとする女性を引き留めた学生、その後のやり切れぬ思い 10円玉握り「おなかすいた」 コンビニで5歳女児保護 実母ら逮捕 【写真】10歳の節目、コロナ収束願い50万円寄付 100円貯金やお小遣いで捻出 神戸の小4女児が赤十字に


 行方不明事案は7月18日に発生。同日午後6時すぎ、「5歳の息子が自宅からいなくなった」と男児の両親から110番があり、同署員が捜索していた。
 河合さんは3年ほど前から同店でアルバイトをしている。行方不明事案があったこの日も午後5時すぎから店で勤務に入り、いつも通り接客や品出し作業に従事していた。
 午後8時すぎ、男の子が1人で来店した。最初は気に留めなかったが、男の子はパンやお菓子、アイスなどを手当たり次第にかごに入れていた。河合さんは不審に思い、子どもの行動を見守ることにした。
 男の子はしばらく店の中を回った。その後、レジ前の床にちょこんと座り、「おなかすいた」としゃべったことから、河合さんは110番。駆けつけた署員が男児を保護した。
 後日、男児と両親が来店し、感謝の言葉を伝えてくれたという。河合さんは「署長感謝状をもらうなんて初めて。人として当然のことをしたまでです」と謙虚に振り返っていた。

神戸新聞NEXTへ
神戸新聞NEXTへ