医療

医療トップへ
医療ニュース
  • 印刷

 精神疾患で医療上の必要性は低いのに長期入院する「社会的入院」の解消に向け、兵庫県西宮市は、1年以上入院する市民をリストアップし、退院や生活の支援策を共に考える事業を2016年度に始めることを決めた。当面は同市内など近隣の精神科病院3カ所に入院中の市民が対象。病院、福祉事業所と連携して進め、将来的には兵庫県内や大阪府内の病院に入院する市民にも広げたい考えだ。県障害福祉課は「極めて珍しい取り組み」とする。(藤村有希子)

 日本は先進国の中で精神科の入院患者の割合が突出して多く、国際的に問題となっている。かつての国の隔離収容政策や社会の偏見、退院後の住まいなど受け皿の少なさが影を落としてきた。

 西宮市保健所によると、精神科のある県内と大阪府内の99病院に入院する市民は、14年6月末時点で525人。入院期間別では、1年未満=206人▽1年以上5年未満=160人▽5年以上10年未満=63人▽10年以上20年未満=57人▽20年以上=39人-だった。

 同市内では08年度から、NPO法人が運営する障害者相談支援センターが、西宮、神戸市の2病院と協力して退院支援プログラムを実施。センター職員が入院患者に地域の情報を伝えるなどして、過去の2年間だけで計15人の退院を実現させ、その後の生活も支えている。こうした背景や、患者の地域復帰をうたう改正精神保健福祉法が14年に施行されたことを受け、西宮市は事業化を決めた。

 西宮市の2病院、神戸市の1病院を対象に、病院や福祉事業所などと2カ月に1度会議を開き、患者をリストアップ。本人への意思確認などを経て退院支援患者の優先順位を決め、地域との触れ合い体験や、退院後の住まい探しなどを助ける。同時に、受け皿となる地域住民らへの啓発も進め、退院患者の体験談を伝えたり、フォーラムを開いたりする。

 5日には、西宮市の委託を受けて実務を担う福祉事業所の公募を始めた。同市生活支援課は「地域で暮らせるかどうか不安で退院に踏み切れない患者は多い。支援の仕組みを医療、福祉、行政が一体となって築き、進めていきたい」とする。

 【精神科病床への入院】 先進34カ国が加盟する経済協力開発機構(OECD)によると、日本の人口10万人当たりの精神科病床数は、加盟国中最多の269床(2011年を中心に調査)で、OECDは「脱施設化が遅れている」と指摘。平均入院日数も292日(12年)と、数十日がほとんどの先進諸国で群を抜いて長い。

医療ニュースの新着写真
医療ニュースの最新

天気(4月28日)

  • 19℃
  • 12℃
  • 10%

  • 21℃
  • 5℃
  • 10%

  • 20℃
  • 12℃
  • 10%

  • 21℃
  • 8℃
  • 10%

お知らせ