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石川裕人講師
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石川裕人講師
レーベル病の30代男性の視野を1年間にわたり記録した画像。治療が進む(右に行く)ほど明るい部分が増え、視野が広がっている(石川裕人講師提供)
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レーベル病の30代男性の視野を1年間にわたり記録した画像。治療が進む(右に行く)ほど明るい部分が増え、視野が広がっている(石川裕人講師提供)

 兵庫医科大(兵庫県西宮市)などのグループが、目の難病で見える範囲(視野)が急激に狭まる「レーベル病」の患者に対し、「イデベノン」という物質を投与した結果、約半数の患者で視野が改善したことが19日分かった。医師主導による臨床試験(治験)の一環。これまでにイデベノンによる視野改善の報告は例がないという。治験を継続し、治療法としての確立を目指す。

 レーベル病は、細胞内でエネルギーを作るミトコンドリアの働きが低下する「ミトコンドリア病」の一種で、厚生労働省の指定難病。遺伝性で比較的若い男性に多く、急激な視力低下を生じ、視神経が萎縮する。初期は周辺部の視野はあるが中心部が見えないことが多く、重症化すると失明することもある。根本的な治療法は確立されていない。

 イデベノンは、サプリメントとして有名なコエンザイムQ10と構造が似ている化合物。欧州でもレーベル病治療薬としての研究・開発が進んでいる。

 グループは、ミトコンドリアのエネルギー代謝を改善させるとされるイデベノンに着目し、2013年から治験を開始。イデベノンを半年間投与し、投与開始から1年間経過を観察した。その結果、患者の目(9人18例)の半数で視野が改善し、視神経の感度も約4割が改善した。治験はこれまで32人に実施。来年9月末までに50人程度の参加を見込み、さらに有効性を確認したいという。

 治験の中心を担う兵庫医科大眼科学の石川裕人講師(41)は「視神経は一度障害されると元に戻らないとされてきたのに、視野が改善したのは大きな成果。なぜ改善したかの仕組みも解明したい」と話している。(金井恒幸)

 【レーベル病の頻度とイデベノン】

 レーベル病の頻度は不明だが、ミトコンドリア病全体では英国やフィンランドで10万人に9~16人いるという報告がある。イデベノンは、日本国内では脳代謝・精神症状改善剤として1986年、医療用医薬品に承認されたが、98年の再評価で有効性が証明できず、承認が取り消された。

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