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 在宅での介護や看護を担う看護師らに対する利用者やその家族からの暴力への対策を考える民間の検討会が29日、神戸市で発足した。1人で利用者の自宅を訪れることが多いため、被害が明らかになりにくく、「暴力を受けることも仕事」と泣き寝入りするケースもあったという。検討会では暴力の実例を聞き取り、公的な相談窓口の設置を求めるなど2018年春にも対応策をまとめる。(山路 進)

 検討会は、同市須磨区の訪問看護事業所長の看護師藤田愛さん(51)が呼び掛けた。兵庫県内外の看護師や介護ヘルパー、薬剤師のほか、医療や看護が専門の大学教授、弁護士ら約20人が参加した。

 藤田さんや神戸市看護大の林千冬教授(看護管理学)らが15年度、県内の訪問看護事業所の訪問看護師を対象に、利用者や家族からの暴力について調査。回答した358人の半数が、身体的な暴力や言葉での侮辱などの「暴力」を受けた経験があると答えた。抱きつくなど性的な暴行もあったが、十分に対策がとられていないことが明らかになった。

 初会合で代表に選ばれた藤田さんは「暴力の原因には家族内のトラブルや経済的な困窮、服用薬の影響などがある。在宅ケアの充実のためにも問題解決の方法をまとめたい」とあいさつ。出席者からは「暴力を当たり前と耐えている人もいる」「誤った苦情対応が暴力を招くケースもある」などの課題が提示された。

 今後、メンバーからの暴力の実例を聞き取って分析し、暴言やセクハラなど被害の形態別の対応策をまとめる。

■被害見えにくく、議論遅れる

 利用者の自宅が職場となる訪問看護師。利用者本人やその家族からの暴言に加え、殴る、蹴るの暴行や抱きつきなど深刻な被害の訴えが続く。

 神戸市看護大などの2015年度の調査で、暴力を受けたと回答した180人のうち、振るわれた相手は利用者本人が71%、家族・親族が24%だった。身体的暴力に加え、「はさみで刺したろか」などの暴言、複数のカメラでの監視、陰部への接触の強要などもあった。

 防止策の一つに複数での訪問があるが、検討会の藤田愛代表は「人件費もかさみ経営的に難しい」。検討会メンバーで、全国訪問看護事業協会(東京)の新津ふみ子監事は「暴力は昔からあったが、対策は議論されてこなかった」と振り返る。同協会は、同大などの調査を受けて17年度、全国8千以上の事業所を対象に同様の調査を計画。「看護師を守るため、検討会の議論にも生かしたい」としている。(山路 進)

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