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 神戸市立医療センター中央市民病院(神戸市中央区)の救命救急センター・救急部が、グリーフ(悲嘆)ケアの取り組みを始めている。大切な人を亡くした遺族に寄り添い、回復を援助するグリーフケアは、緩和ケアなどの分野では広まっているが、救急ではまだ珍しいという。担当する医師は「突然、愛する人の死に直面する救急こそ、遺族のケアが必要だ」と指摘する。(武藤邦生)

 同病院の救急部には、事故や病気で心肺停止になった人が年間約300人搬送されるという。助からない人も多いが、「現場が手いっぱいで、遺族に心を配ることが難しいケースも少なくない」と同部の井上純一医師は打ち明ける。

 グリーフケアの取り組みは、井上医師と中村祐美子看護師が昨年1月に始めた。心の相談窓口などを紹介するパンフレットを作成し、これまでに約70の遺族に配布した。

 「四十九日の法要が済み、孤独になりがちな時期」(井上医師)という死後8~12週には、遺族に電話をかけ、暮らしぶりや体調を尋ねる。認知症が進んだ▽外出できない▽食事が取れず、体重が大きく減った-など日常生活に支障をきたしている人もいたといい、心療内科の受診を勧めたり、遺族会を紹介したりしている。

 昨年12月には、上智大グリーフケア研究所(大阪市)主任研究員の大河内(おおこうち)大博(だいはく)さんを招いて医療関係者向けの講演会を開催。大河内さんは、ケアに当たる上で「一人一人に寄り添わないと、見えないものがある」と指摘。「悲しみを『治す』のではなく、悲しみを抱えつつ、大切な人がいない社会にいかに適応するか、その歩みをサポートすることが重要だ」と述べた。

 井上医師は「大切な人の死は、覚悟していても悲しい。心の準備ができていなければなおさらだ。取り組みによって、少しでも生活に支障をきたす人を減らすことになればいい」と話す。

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